【完全解説】親(父母)が亡くなった時に必要な相続手続きについて
親が亡くなったらどんな手続きが必要?
あまり考えたくないことかもしれませんが、誰にでもいつかは訪れること、それが「親の死」です。
身近な人が亡くなった後は、葬儀をはじめとして、様々な手続きに対応しなくてはなりません。
親の相続はなにが大変?
特に亡くなったのがお父さんやお母さんであれば、死亡直後から悲しむ暇もないほど慌ただしくなるでしょう。
本記事では、
・「親が亡くなってしまった今、これから何をしなければいけないのか?」とお困りの方
・「将来父や母が亡くなった時に慌てないように、必要な手続きを把握しておきたい。」という方
のために、相続手続き・死後手続きに精通した専門家が、親が亡くなった後に必要な手続きについて詳しく解説します。
これを読めば、親が亡くなった直後に必要な手続きや、その後の遺産相続の手続きについて、いつまでに何が必要でどのように進めて行くべきかがわかり、ご自身で対応することも可能です。
また、自分では難しそう…と感じられた方はお早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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親が相続人になる場合の相続手続きにおいて、お客様にどのような手続きが必要で、どのように進めていくべきかをご案内させていただくため、当事務所では無料相談を行っています。
当事務所では、身近な人が亡くなった後に必要な死後手続き・相続手続きに関して、数多くのご相談とご依頼を受けています。
このような豊富な相談経験を活かし、お客様に必要な手続きと最適なサポートを提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
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親(父母)が亡くなった直後に必要な手続き
まずは死亡直後~初七日~四十九日までに行う手続きについて把握しておきましょう。
亡くなった当日にやっておくこと
1
近親者へ連絡する。
危篤状態の連絡を受けた段階で、家族や関係の近い親戚には連絡をしておきましょう。
2
死亡診断書(死体検案書)を取得する。
死亡診断書は、死亡保険金の請求など複数の手続で必要になるので、必ずコピーを複数枚取っておきましょう。
3
葬儀社に連絡して葬儀の手配を始める
葬儀社は病院が紹介してくれることもありますが、予想以上に高額の請求が来て後でトラブルになることもあるので、必ず費用と内容を確認し、納得の上で契約しましょう。
4
遺体の搬送・退院手続きを行う
葬儀を行わず直接火葬する場合(直葬)でも、死亡後24時間以内の火葬は法律で禁止されているため、必ず遺体を搬送する必要があります。
5
葬儀について葬儀社と打ち合わせをする
担当者と打ち合わせを行い、喪主や受付などの役割や段取りを決めておきましょう。
6
関係者・知人に連絡する
通夜・葬儀を身内だけで行う場合は、知人や関係者への連絡は葬儀の後でも大丈夫です。
亡くなってから2日目にやっておくこと
7
死亡届・火葬許可申請書を提出する
死亡届提出の際に、一緒に火葬許可申請書を提出します。葬儀社が代行するのが一般的です。
8
お通夜
お通夜は通常亡くなった翌日の夜に行いますが、火葬場の予約が取れない場合は、火葬の日に合わせてお通夜・葬儀の日を決めることになります。
近年では時代の変化に伴い、2~3時間ほどで終了する「半通夜」が一般的です。
亡くなってから3日目にやっておくこと
9
葬儀・告別式
親が亡くなった場合、配偶者が存命であれば配偶者が喪主を務めます。配偶者がいない・高齢や病気のため喪主を務めるのが困難なときは、長男や長女が喪主を務めるのが一般的です。
喪主には表向き葬儀を取り仕切るという重要な役割があるので、心構えをしておきましょう。
10
出棺・火葬
火葬には、家族のほか故人と特に関係の深い方が同行します。火葬が終わったら、ご遺骨を骨壺に納め、最後に骨壺と火葬済印が押された火葬許可証(埋葬許可証)を受け取って、火葬場を後にします。
その後は地域の慣習にもよりますが、自宅に戻り遺骨法要と初七日法要、精進落としなどを行うことが多いです。
亡くなってから7日目までにやっておくこと
11
初七日法要
初七日法要は、本来は亡くなってから七日目に執り行うものですが、時代の変化に伴い、葬儀と同日に初七日法要を行う事も一般化しています。
亡くなってから49日目ぐらいまでにやっておくこと
亡くなってから1週間が経過し、葬儀・法要関係が一段落したら、徐々に各種の届出や手続きを行っていきましょう。
手続きの順番は特に決まっていませんが、手続きに戸籍謄本が必要になる関係で、まず役所に足を運ぶことが多いので、役所関係の手続きはまとめて行っておくといいでしょう。
手続きの期限が極端に短いものはありませんが*、後述する相続手続きとあわせてすみやかに行っておきましょう。
*「世帯主変更届」「国民健康保険の資格喪失届」は期限が14日以内と短いですが、実際には期限を過ぎても罰則等はありません。
12
役所関係の手続き
死亡後に必要な役所関係の主な手続きは以下の通りです。
※手続き名が青くなっているものは、クリックすると詳細な解説のページに移動します。
手続きの名前 | 手続きの期限 | 届出・確認先 | 必要書類 |
---|---|---|---|
世帯主変更届の提出 | 14日以内 | 市町村役場 | 身分証等 |
国民健康保険の資格喪失届 | 14日以内 | 市町村役場 | 国民健康保険証等 |
葬祭費・埋葬料の請求 | 2年で時効 | 市町村役場等 | 領収書,印鑑等 |
高額療養費の請求 | 2年で時効 | 市町村役場等 | 申請書等 |
改葬許可申請 | 必要に応じて | 市町村役場等 | 受入証明書等 |
13
公的年金・給付関係の手続き
死亡後に必要な公的年金・給付関係の主な手続きは以下の通りです。
※手続き名が青くなっているものは、クリックすると詳細な解説のページに移動します。
手続きの名前 | 手続きの期限 | 届出・確認先 | 必要書類 |
---|---|---|---|
年金受給停止の連絡 | すみやかに | 年金事務所等 | 年金証書,戸籍謄本等 |
未支給年金・遺族年金の請求 | 受給停止と同時 | 年金事務所等 | 戸籍謄本等 |
死亡一時金の請求 | 2年で時効 | 年金事務所等 | 戸籍謄本等 |
弔慰金(特別弔慰金)の請求 | 3年で時効 | 市町村役場等 | 戸籍謄本等 |
未支給恩給の請求 | 5年で時効 | 総務省又は厚生労働省 | 戸籍謄本等 |
14
公共料金・民間サービスの解約・名義変更等
死亡後に必要な公共料金・民間サービスの解約・名義変更等の主な手続きは以下の通りです。
※手続き名が青くなっているものは、クリックすると詳細な解説のページに移動します。
手続きの名前 | 手続きの期限 | 届出・確認先 | 必要書類 |
---|---|---|---|
介護施設・訪問介護等の解約 | すみやかに | 各事業者 | 事業者に問い合わせ |
公共料金(電気・ガス・水道)の名義変更・解約 | すみやかに | 各事業者 | 振替依頼書(口座変更時) |
NHKの名義変更・解約 | すみやかに | NHK | 振替依頼書(口座変更時) |
インターネット回線・プロバイダの名義変更・解約 | すみやかに | 各事業者 | 振替依頼書(口座変更時) |
携帯電話の解約・名義変更 | すみやかに | 各事業者 | 事業者に問い合わせ |
クレジットカードの解約 | すみやかに | 各事業者 | 事業者に問い合わせ |
新聞の解約・名義変更 | すみやかに | 各販売業者 | 販売店等に問い合わせ |
15
四十九日法要
四十九日法要は、本来は亡くなってから49日目に執り行うべきものですが、平日にあたり家族・親族が集まるのが難しい場合は、直近の土日等にずらすこともできます。
ずらす場合は、後にずらすのではなく、必ず前倒しにするようにしましょう。
地域によっては、四十九日法要を繰り上げて、葬儀と同日に行うこともあります。
身近な人の死亡直後から四十九日までにやるべきことについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
親(父母)が死亡したときに必要な遺産相続手続き
親が亡くなった直後の葬儀法要手続きや、役所への届出、公共料金等の解約・名義変更などの比較的簡単な手続きが終わり、少し落ち着いたら、次は故人の財産を引き継ぐための遺産相続手続きを行っていくことになります。
遺産相続手続きを含めた、一般的に必要になる手続き・届出とそのタイムスケジュールは以下の図の通りです。
死亡後に必要な手続き・届出とタイムスケジュール
上記はあくまで一般的な目安なので、個々の事情によって必要な手続きや優先順位は異なります。
手続きの進め方について不安な方や、お急ぎの方は専門家へのご相談をおすすめします。
身近な人の死亡後に必要な手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
期限が短い死後手続き・相続手続きには注意
死亡後に必要な手続きの中でも、以下の手続きは期限が短いので、該当する方は迅速に対応する必要があります。
相続放棄(3か月以内)
故人に多額の借金がある場合など、プラスの財産よりマイナスが大きい場合は、相続放棄をすれば、プラスの財産ももらえない代わりに債務を引き継がずに済みます。
相続放棄をするためには、相続発生を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申立てを行う必要があるので、早めに手続きを行いましょう。
また、財産の処分行為(預金の引き出し・使用や不動産の名義変更など)を行ってしまうと、相続を承認したとみなされ(単純承認)、相続放棄することができなくなるので気を付けましょう。
相続放棄についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
準確定申告(4か月以内)
亡くなった方に年金や給与所得以外の所得がある場合など、一定の要件に当てはまる場合は、相続発生から4か月以内に確定申告(通称:準確定申告と言います)を行う必要があります。
準確定申告は相続人全員の連名で申告をすることになりますが、資料集めに時間がかかると4か月はあっという間に過ぎてしまうので、該当する方は早めに取り掛かりましょう。
自分で申告するのが面倒な場合は、税理士に依頼することもできます。
相続税の申告(10か月以内)
遺産の総額が基礎控除額(3000万円+(600万円×相続人の人数))を超える場合、相続税の申告が必要になります。
相続税には配偶者控除や小規模宅地等の特例があり、一定の要件を満たせば納税はゼロで済むケースもありますが、その場合でも特例の適用を受けるために申告は必要なので注意しましょう。
相続税の申告は、評価方法や申告すべき財産について気を付けるべき点が沢山あり、よくわかっていない方が自分で申告をするとかなりの確率で税務調査の対象に選ばれてしまうので、相続に強い税理士への依頼をおすすめします。
相続税の申告についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、親が亡くなった場合の死後手続き・相続手続きについてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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親(父母)が死亡したときの相続関係
亡くなった方に子供がいる場合、配偶者(妻・夫)がいれば配偶者および子供が、配偶者がいなければ(すでに死亡している場合含む)、子供のみが相続人になります。
相続人には法律で定められた最低限の取り分(法定相続分)がありますが、子供が相続人になる場合、相続関係によって法定相続分が異なります。
以下、ケースごとに解説します。
case
ケース1 配偶者と子供が相続人になるケース
亡くなった時点で被相続人(亡くなった方)に配偶者がいる場合は、配偶者及び子供が相続人となります。
それぞれの法定相続分は、配偶者は2分の1、子供は2分の1となります。
子供が複数いる場合は人数で均等割りとなります。
配偶者と子が相続人の場合の法定相続分
case
ケース2 配偶者がいない(死亡している場合含む)ケース
被相続人に配偶者がおらず、子供がいる場合、子供のみが相続人になります。この場合の法定相続分は子供の人数で均等割りとなります。
子のみが相続人の場合の法定相続分
case
ケース3 実子と養子がいるケース
被相続人に実子と養子がいる場合、実子と養子の法定相続分は全く同じです。実子と養子が3人以上いる場合も子供の人数で均等割りです。
後妻・後夫の連れ子と養子縁組するケースはよくありますが、実際に親子として生活した期間等によって法定相続分が変わることはありません。
実子と養子が相続人の場合の法定相続分
case
ケース4 異父・異母きょうだいのケース
子どもたちの中に、父母の一方を異にする異母きょうだいや異父きょうだい(半血兄弟姉妹)がいる場合でも、子供の法定相続分は全く同じで、人数で均等割りです。
実際に親子として生活した期間等によって法定相続分が変わることはありません。
異父・異母きょうだいが相続人の場合の法定相続分
case
ケース5 婚姻外の子がいるケース
子どもたちの中に、嫡出子(法律上の夫婦の間に生まれた子供)と非嫡出子(法律上で婚姻関係にない男女の間に生まれた子供)がいる場合でも、子供の法定相続分は全く同じで、人数で均等割りです。
婚姻外で生まれた子供については、出生後に父親が認知をすることで法律上の親子関係が生じます。
かつては非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1とされていた時代もありましたが、現在では、被相続人の子供である以上、全く同じ権利が保障されています。
嫡出子と非嫡出子が相続人の場合の法定相続分
子供が相続人になる場合の相続関係や法定相続分について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
子供がすでに死亡している場合の相続関係
亡くなった時点で子供がすでに死亡している場合、その子供(被相続人から見て孫)がいれば、その方が繰り上がりで相続人になります。(代襲相続と言います。)
孫の法定相続分は、亡くなった親(兄弟姉妹)の法定相続分をそのまま引き継ぎます。子供が複数いる場合は人数で均等割りになります。
孫が代襲相続人になる場合の場合の法定相続分
孫が相続人になる場合の相続手続きについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なお、子供や孫が法定相続人になるケースでも、遺言書がある場合は、遺言書に従って相続されることになります。
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親(父母)の相続手続きで必要な戸籍の範囲
相続手続きを行うにあたっては、原則として「被相続人の相続関係を証明する全ての戸籍謄本等」が必要になります。
具体的には、下記のような戸籍が必要になります。
なお、一つの戸籍で複数の役割を兼ねることがありますが、同一の戸籍については一つあれば足ります。
■必ず必要な戸籍
- 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
- 相続人である子(孫)の現在の戸籍謄本
■場合によって必要な戸籍
- (先に死亡した子がいる場合)先に死亡した子の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
特に、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等は、場合によってはかなり昔の戸籍までさかのぼる必要があるのですが、昔の戸籍は手書きのため、解読するのも一苦労です。
自分たちで戸籍を集めるのが難しそう…と思われた方は、お早めに相続手続きを代行してくれる専門家等に依頼した方がいいでしょう。
相続手続きに必要な戸籍の種類と集め方についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、親が亡くなった場合の相続手続きについて、戸籍の収集含めてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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親(父母)が死亡したときの相続手続きの流れ
親が亡くなったときの遺産相続手続きの流れは、相続をめぐる状況によっても異なりますが、一般的には以下のような流れで進めることが多いです。
※クリックするとそれぞれの手順の詳しい解説へ移動します。
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以下、それぞれの手順について解説します。
遺言書の確認(必要に応じて遺言書の検認)
相続手続きを行うにあたっては、まずは遺言の有無を確認することが再優先となります。
遺言書がある場合、遺言の内容に沿って手続を進めることになるので、その後の手続きに大きな影響があります。
遺言書には主に自筆のものと公正証書で作成したものがあり、それぞれ調査方法が異なります。
故人の自宅等を調べるのはもちろんですが、公証役場や法務局で一括して調べることもできるので、念のため調査しておきましょう。
遺言書の調査方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
また、遺言書が公正証書で作成されている場合や、法務局の遺言書保管制度を利用していた場合を除いて、遺言書に従って手続きを行う場合は家庭裁判所での検認手続きを経る必要があります。
遺言書の検認についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
戸籍集め
遺言書がない場合、基本的には相続人全員の同意のもと手続きを進めることになります。
そのため、戸籍を集めて相続人が誰かを客観的に確定させる必要があります。
戸籍を集めないとその後の手続きを進めることはできないので、この段階でつまずきそうな方は、お早めに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
財産・債務の調査
遺産の分け方を決めるにあたっては、遺産分割協議の対象となる財産を確定する必要があります。
また、財産目録や相続税申告書に記載するために、残高証明書等の財産の評価額を客観的に証明できる資料を取得しておく必要があります。
取得する資料は財産の種類によって異なりますが、主な例としては以下のとおりです。
財産の種類 | 取得する資料 |
---|---|
不動産 | 登記事項全部証明書(登記簿謄本)、固定資産税評価証明書、名寄帳 |
預貯金 | 残高証明書、(必要に応じて)取引履歴 |
株式、投資信託等 | 残高証明書など |
保険契約等 | 相続評価額証明書、契約内容の案内など |
ゴルフ場会員権等 | 相続評価額証明書など |
なお、残高証明書等は必ず「相続開始日時点のもの」を取得してください。
相続財産の調査方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
また、亡くなった方と疎遠で生前の生活状況がわからないという場合は、プラスの財産だけではなくマイナスの財産(債務)についてもしっかりと調査しておきましょう。
万が一プラスの財産より債務が大きい場合は、相続放棄を検討すべきです。
相続放棄は、相続発生を知った日から3か月以内に手続きを行う必要があるので、財産・債務の調査は速やかに完了させましょう。
債務の調査方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、親が亡くなった場合の相続手続きについて、戸籍収集・相続人の調査、相続財産の調査含めてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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相続関係説明図・財産目録の作成
相続関係及び財産の調査が完了したら、相続関係説明図と財産目録を作成しましょう。
相続関係説明図とは、亡くなった方の相続関係を家系図のような形でわかりやすく説明したものです。
相続関係説明図の見本
財産目録とは、相続財産の種類、数量、金額等を一覧表の形式でわかりやすくまとめたものです。
財産目録の見本
財産目録に記載する財産の所在や、種類、数量等については登記簿謄本や残高証明書を確認して正確に記載しましょう。登記簿謄本や残高証明書は財産の根拠資料として、コピーを財産目録に添付しましょう。
相続関係説明図や財産目録は作成が必須というわけではありませんが、きちんとした資料がある事で、その後の遺産分割協議がスムーズに進みます。
特に相続人同士の関係性が微妙な場合(前妻の子と後妻、養子と実子など)は、後々トラブルにならないように作成しておくことをおすすめします。
財産目録のひな型や作成方法についてはこちらの記事をご覧ください。
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遺産分割協議
戸籍集めと相続財産の調査が終わり、調査結果がまとまったら、相続人全員で遺産の分け方について話し合うことになります。
話し合いの方法に決まりはないので、必ずしも一堂に会して話し合う必要はありません。
相続人同士の関係性や居住地等に合わせて、適宜電話やメール、郵送等の方法で連絡を取り、話し合えばいいでしょう。
電話でやり取りする場合は、後で食い違いが起きないように、メモを残しておきましょう。
遺産の分け方は相続人全員の合意があれば自由に決めて構いませんが、基本的には法定相続分がベースになると考えてください。
遺産分割の方法と揉めないための注意点についてはこちらの記事をご覧ください。
遺産分割協議書の作成
遺産の分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書の記載例
遺産分割協議書の記載に不備があると、相続手続きに使えないこともあるので、戸籍や登記簿謄本、残高証明書等をよく確認して正確に記載しましょう。
遺産分割協議書のひな型や記載方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
遺産分割協議書、相続手続き書類への署名押印の手配
作成した遺産分割協議書には、相続人全員の署名押印を貰い、印鑑証明書を提供してもらう必要があります。
また、場合によっては金融機関や保険会社等の所定の書類に、相続人の署名や押印が必要なこともあります。
署名押印についても全員が集まって行う必要はなく、郵送で順次回していく形でも大丈夫です。
相続人の人数が多い場合は、やり取りの手間を省くために、各自がそれぞれ単独で署名押印した書面(下図参照)をまとめて提出する方法(証明書形式)をおすすめします。
遺産分割協議証明書の見本
こちらの方法であれば、各相続人にそれぞれ書類を送り、そのまま返送すればいいので、やり取りの時間は短縮でき、破損・汚損のリスクも最小限で済みます。
遺産分割協議書は印鑑証明書とセットで必要になるので、発行後6か月以内(金融機関によっては3か月以内)の印鑑証明書を一緒に提供してもらいましょう。
遺産分割協議証明書の作成方法やひな型についてはこちらの記事をご覧ください。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、親が亡くなった場合の相続手続きについて、遺産分割協議書の作成及び署名捺印の手配含めてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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名義変更、解約等手続き
相続人全員の署名押印及び印鑑証明書が揃ったら、法務局や金融機関で相続手続きを行います。
手続きの際には遺産分割協議書と印鑑証明書のほか、戸籍謄本等も一緒に提出します。
先述のとおり、金融機関では発行から6か月以内の印鑑証明書の提出を求められるので、期限切れによる再取得の手間が生じないよう速やかに手続きを終わらせましょう。
特定の方に負担がかかることを避けたい場合は、相続手続きを代行してくれる専門家に依頼するといいでしょう。
相続預金の分配、費用等の清算、完了書類の引き渡し
代表相続人が預金を受取り、各相続人へ分配する場合は、相続預金の振込後に、金融機関からの受取額や相続人への分配額を記載した計算書を作成しておきましょう。
また、手続きにかかった費用についても、精算書等を作成し、きちんと清算しておきましょう。
預貯金や不動産等の相続手続きがすべて完了したら、各相続人への報告と共に書類を引き渡して完了になります。
特に遺産分割協議書は、相続人の合意事項を証明する大切な書類なので、各相続人が1部ずつ保管しておくようにしましょう。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、親が亡くなった場合の相続手続きについて、不動産の名義変更や預貯金の解約などの手続きのほか、各相続人への財産の分配、手続き完了の報告まですべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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要注意!相続手続きが大変になりやすいケース
親が亡くなり、子供が相続人になる場合、相続人同士の関係が近く、手続きへの協力も得やすいので、比較的スムーズに相続手続きが進むことも多いです。
しかし、相続をめぐる状況によっては、自分たちだけで手続きを行うのは大変な労力を伴うことがあります。
具体的には以下のような事情がある場合です。当てはまる方はお早めに専門家に相談することをおすすめします。
- 相続人の人数が多い
- 相続人が一人しかいない
- 相続財産の数が多い・詳細がわからない
- 相続人が離れて暮らしている
- 相続人同士が疎遠である
- 被相続人との生前の交流がほとんどない
- 相続人の中に未成年者がいる
- 認知症等で意思能力のない相続人がいる
- 行方不明の相続人がいる
以下、それぞれについて解説します。
相続人の人数が多い
先に述べた通り、相続手続きを進めるためには原則として相続人全員の協力が必要になります。
具体的には遺産分割協議書等の書類に実印を押してもらい、印鑑証明書を提供してもらう必要があるのですが、相続人の人数が多い場合、財産や手続きについて説明をして、全員の意見を取りまとめるには大変な苦労が伴います。
例え遺産の分け方をめぐって争いが無くても、連絡や書類のやり取りだけでもかなりの負担となることは間違いありません。
相続人の人数が多くて大変なケースの具体的事例はこちら
相続人が一人しかいない
上記とは逆に相続人が一人しかいないケースも意外と大変なことが多いです。
相続人が一人しかいなければ、遺産分割協議や相続人のやり取りが不要なため、一見楽に思えるのですが、実際にはすべての手続きを自分一人で行わなければならず、かなりの負担がかかります。
また、手続きの中で困ったことがあっても他に相談する人がいないというのも意外とネックになります。
実際に当事務所にご相談いただいたお客様の中でも、相続人が一人しかいない方はかなりの割合を占めます。
相続人が一人しかいないため大変なケースの具体的事例はこちら
相続財産の数が多い・詳細がわからない
特に相続税の申告が必要な場合、相続財産の調査はしっかりと行う必要があります。
金融機関であれば残高証明書や取引履歴を、不動産であれば登記簿謄本や名寄帳等を取得して調査をしますが、相続財産の数や種類が多ければ、調査するだけでも一苦労です。
また、故人の財産状況を生前に把握していることはほとんどないので、いざふたを開けてみたらよくわからない財産が沢山あったという事もよくあります。
詳細不明の財産を知識の無い方が一から確認していくのは、かなり骨の折れる作業です。
相続財産の数が多い・詳細がわからないために大変なケースの具体的事例はこちら
相続人が離れて暮らしている
子供は、大人になればそれぞれ独立して暮らすことが普通です。
相続人全員が物理的に近くにいる場合は、集まって話し合ったり、書類に署名をもらう事も簡単でしょうが、離れて暮らしている場合はそうもいきません。
郵送等でやり取りするにしても、微妙なニュアンスの意思疎通や、書き間違いがあった場合の対応等で苦労する事は多いです。
また、被相続人の近くに住んでいる方が中心となって動くことになるため、どうしても負担が偏ってしまい、不満が貯まる原因となりやすいです。
相続人が離れて暮らしているため大変なケースの具体的事例はこちら
相続人同士が疎遠である
養子と実子、前妻の子と後妻など、相続人同士の関係性が特殊なケースでは相続人同士の交流がほぼないという事もよくあります。
また、一緒に暮らしていた家族であっても事情の変化により疎遠になってしまうという事もあるでしょう。
疎遠な方に連絡を取るのはただでさえ気が重いことでしょう。遺産の分け方についての話となればなおさらです。
連絡が取りづらいからと言ってその方を除いて相続手続きを行うわけにはいかないので、何とかして連絡を取る必要がありますが、相続人の関係性によっては心理的にかなり負担がかかる作業です。
疎遠な相続人がいて大変なケースの具体的事例はこちら
疎遠な相続人がいるときの相続手続きの進め方についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
被相続人との生前の交流がほとんどない
こちらは亡くなった方(被相続人)と相続人が疎遠なケースです。
父母が離婚している場合など、故人との関係性によっては、幼い頃に何度か会ったきりで、数十年間交流が全くないという事も珍しくありません。
そうなると、被相続人の暮らしぶりや財産の状況が全く分からず、どこから手を付けていいかわからないという事もあり得ます。
本当に何もわからない場合、住居の清掃や遺品整理から始めて借金等の有無を調査し、場合によっては相続放棄も検討しなければならないので、被相続人との関係が疎遠な場合は、一度専門家へ相談することを強くおすすめします。
被相続人との生前の交流がほとんどなかったため大変なケースの具体的事例はこちら
相続人の中に未成年者がいる
親が若くして亡くなってしまった場合や、本来の相続人である子供が先に亡くなり孫が相続人になる場合、子や孫が成人していないという事があります。
相続人の中に未成年者がいる場合、未成者の代理人として親権者が遺産分割協議に参加することになるのですが、未成年者と親権者がともに相続人になる場合、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらう必要があります。
特別代理人選任申立の際には、未成年者の法定相続分に配慮した遺産分割案を提出する必要があるなど、気を付けなければならない点がいくつかあるので、司法書士などの専門家に一度相談することをおすすめします。
相続人の中に未成年者がいるため大変なケースの具体的事例はこちら
特別代理人の選任申立手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
認知症等で意思能力のない相続人がいる
相続人の中に認知症や障害などで意思能力(判断能力)がない方がいる場合、本人は遺産分割協議に参加することができないので、家庭裁判所で成年後見人等の代理人を選任してもらう必要があります。
成年後見等開始の申立ては申立書類の準備が大変で、時間がかかるため、早めに動かないと相続税の申告期限に間に合わない可能性があります。
また、遺産分割協議のために申立てをする場合でも、一度後見が開始されると、基本的には本人が亡くなるまで続くため、後見業務の負担や専門職後見人のコスト等について十分に理解した上で申立てすべきです。
特に高齢の配偶者が存命の場合、認知症等で意思能力が危ういということはよくありますが、認知症だからと言って必ずしも意思能力が無いというわけではないので、判断に迷う場合は、司法書士等の専門家に相談しましょう。
認知症等で意思能力のない相続人がいて大変なケースの具体的事例はこちら
認知症の方がいる場合の相続手続きについてくわしくはこちらの記事をご参照下さい。
行方不明の相続人がいる
相続人の中に居所が全く分からない行方不明の方がいる場合、手続きはかなり大変です。
この場合、行方不明になった時期や家族の事情によって次のいずれかの手続きを利用することになります。
- 不在者財産管理人選任の申立て
- 失踪宣告の申立て
どちらも資料集めや事実関係の確認等にかなり手間がかかるので、手続きに精通した専門家への相談をおすすめします。
相続人の中に行方不明の方がいて大変なケースの具体的な事例はこちら
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、親が亡くなった場合の相続手続きについて、すべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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残される家族のために遺言書を作成しておきましょう
ここまで、親がなくなったときの相続手続きについて解説してきましたが、故人が生前に遺言書をのこしていれば、遺産分割協議は不要で、手続きの負担が大幅に軽減されます。
相続人の中に特によく面倒を見てくれた方がいる場合、その方に多くの財産を遺したいと考える方は多いのではないでしょうか。
しかし、遺言書が無ければ、生前故人と親しく、お世話をしていたとしても、基本的には他の方と同じ分の権利しか主張することはできません。
一方、遺言さえ残しておけば基本的には自分の希望を実現することができます。
ただし、配偶者や子供には遺留分(法律上最低限保証されている取り分)があるので、あまりに偏った分け方にしてしまうと、死後に遺留分をめぐる争いが発生し、かえって負担をかけてしまうかもしれません。
また、遺言書の記載に不備があると、手続きを行うために他の相続人の協力が必要となり、無駄に軋轢を生むかもしれません。
大切な方に負担をかけないためにも、遺言書を作成する際は相続の専門家に相談の上、不備のないものを作成しましょう。
遺言書作成の際の注意点等についてくわしくはこちらをご覧ください。
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まとめ
親が亡くなったときには様々な手続きが必要になります。多くの方にとっては初めての経験ですが、本記事を参考に一つずつ進めて行けば、自分たちで行うことも可能です。
ただ、相続をめぐる事情は人によって異なるので、ここでは書ききれないイレギュラーな事態も普通に起こります。
また、手続きのやり方はわかっても、それを行うための時間が取れないという方もいるでしょう。
自分たちだけでは難しいと思われた方は、相続手続きの経験が豊富な専門家への相談・依頼を検討してみて下さい。
親(父母)の相続手続きでお困りの方は専門家に相談しましょう!
当事務所では、親が亡くなったときの相続手続きについて、これまでに多くのご相談・ご依頼をいただいております。
当事務所がお手伝いした親が亡くなったときの相続手続きの事例についてはこちらをご覧ください。
自分でやろうとしたが無理そうなのでご相談に来られた、ご依頼されたお客様のお話を聞くと、「専門家に任せることでこんなに上手く行くなら費用はかかっても初めから依頼すればよかった。」という声を多くいただきます。
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親の死は避けては通れないこととは言え、実際に直面すると大変な心労を伴います。慣れない手続きに煩わされることなく、一刻も早く日常に戻るためにも、お早めに一度相談することをおすすめします。
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