郵送による公正証書遺言謄本の請求方法について
公正証書謄本を郵送で請求できるって知ってますか?
亡くなった方が公正証書遺言(遺言公正証書とも言います。)を遺していた場合、作成した公証役場に請求することで公正証書遺言の謄本を取得することができます。
この謄本請求は、以前は遺言書を作成した公証役場まで直接出向く必要がありましたが、2019年からは郵送でも請求できるようになりました。
公正証書遺言謄本を郵送で請求するには?
しかし、郵送での請求方法については日本公証人連合会のホームページに具体的な記載がなく、各公証役場のホームページでも記載されている所はほとんどありません。
そこでここでは、相続手続きに必要な公正証書遺言謄本の郵送請求方法についてくわしく解説するとともに、公正証書遺言謄本の請求をはじめとする死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについても解説します。
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公正証書遺言謄本の請求とは
亡くなった方が遺言書を遺していた場合、基本的にはその内容に沿って相続手続きを進めることになります。
故人が遺言を遺していたかもしれないが、自宅や貸金庫等から見つからないという場合、公的に遺言書の有無を確かめるための方法として下記の2つがあります。
1.公証役場の「遺言検索システム」を利用して確認する。(公正証書遺言・秘密証書遺言の場合)
2.法務局で「遺言書の保管に関する証明書」の交付請求を行う。(自筆証書遺言の場合)
※制度についてくわしくはこちら
このうち、故人が公正証書で遺言を作成していた場合は、上記1の公証役場の「遺言検索システム」を利用すれば、作成した公証役場等がわかります。
ただし、遺言書の内容を確認するためには改めて、作成した公証役場に対して、「遺言公正証書謄本の交付請求」を行う必要があります。
遺言公正証書謄本の請求は作成した公証役場に直接出向くほか、郵送によっても行うことが可能です。
以下、請求方法等について詳しく解説します。
「遺言検索システム」による調査・検索方法についてくわしくはこちらの記事をご参照下さい。
公正証書遺言謄本の交付請求方法・必要書類等
公正証書遺言謄本(又は正本)は、相続人等の相続関係者が、作成した公証役場に直接出向いて、直接請求するのが原則です。
直接出向いて請求する場合、特に難しいことはなく、下記の必要書類、手数料等を準備して公証役場に行き、窓口で交付申請書に記入の上、提出するだけです。
■請求できる人
法定相続人、受遺者、遺言執行者などの利害関係人およびその代理人
※遺言者の生存中は遺言者本人以外は謄本の請求はできません
【本人が請求する場合】
- 遺言者の死亡の事実を証明する書類(遺言者の死亡の記載がある戸籍(除籍)謄本または死亡診断書のコピーなど)
- 請求者が利害関係人であることを証明する書類(亡くなった方の相続人であることが確認できる戸籍謄本等)
- 請求者の身分を証明する書類等(免許証などの写真付き本人確認書類および認印、発行から3か月以内の印鑑証明書および実印など)
【代理人による請求の場合】
上記のうち請求者の身分を証明する書類等に代えて、以下の書類が必要。
- 代理人の身分証明書
- 代理人の権限を証明する委任状(請求者の実印が押印されているもの)
- 請求者の印鑑証明書(発行から3か月以内)
■手数料
遺言書のページ数×250円(1通につき)
戸籍謄本等については、提出時に原本と一緒にコピーを提出して、原本は返却して欲しい旨を伝えれば返却してもらえます。
他の相続手続きで使用する機会が多いので、忘れずにコピーも持参しましょう。
取得した遺言書謄本(又は正本)は、不動産の相続登記や預貯金の解約手続き等の際に必要になります。謄本は何通でも取得可能なので、手続きが必要な金融機関等が多い場合は、多めに取得しておくといいでしょう。
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
2019年からは郵送での謄本請求が可能に
公正証書遺言謄本の交付請求は、従来は上記の窓口での請求以外に方法はありませんでした。
そのため、作成した公証役場が遠隔地の場合は、相続人の誰かが現地まで行くか、現地の司法書士等の専門家に代行を依頼するしかありませんでした。
しかし、2019年4月1日に制度が改正され、郵送で謄本を取り寄せることができるようになりました。郵送請求の場合も、最寄りの公証役場に一度は直接出向く必要がありますが、遠方まで足を運ぶ必要は無くなったため、より迅速かつ経済的に遺言書の内容を確認して、相続手続きを進めることが可能になりました。
ところが、この郵送による謄本請求制度、事前・事後の周知があまりなく開始されたので、専門家でも知らない方が多いです。
また、日本公証人連合会のホームページにも具体的な手続き方法についての記載はありません。
参考
≫郵送による遺言公正証書等の正謄本の取得方法について|日本公証人連合会
郵送での謄本請求は、他の相続手続きとは違う独特な手続きのため、以下では、手続きの流れ、必要書類、注意点などについてくわしく解説します。
郵送による公正証書遺言謄本の交付請求方法・注意点等
郵送での遺言書謄本の交付請求手続きの流れは以下の通りです。なお、郵送請求できる方は窓口での請求と同じく相続人、受遺者等の利害関係人及びその代理人です。
※クリックするとそれぞれの手順についてのくわしい解説に移動します。
■郵送による公正証書遺言謄本交付請求の流れ
1.最寄りの公証役場で「公正証書謄本交付申請書」の署名認証を受ける
3.請求先の公証役場からの電話連絡に従い、謄本交付手数料を支払う
以下、それぞれについてくわしく解説します。
最寄りの公証役場で「公正証書謄本交付申請書」の署名認証を受ける
まず、最寄りの公証役場で、郵送請求の前提として必要な「公正証書謄本交付申請書」の署名認証を受けます。
全国の公証役場はこちらから検索できます。
■認証に必要な書類
■手数料
2,500円(認証1件につき)
上記必要書類及び手数料を持参して、最寄りの公証役場に出向き、公正証書謄本交付申請書に必要事項を記入します。
認証にかかる時間はその日の混雑具合にもよりますが、15~30分程度です。
特に事前予約は不要ですが、時間帯や時期によっては長時間待たされることもあるので、余裕のある時間に行きましょう。(昼休みや業務終了時間近くになると受付終了となる所がほとんどです。)
認証手続きは代理人によることも可能ですが、交付申請書に請求対象の公正証書遺言の作成年や証書番号等を記載する必要があるため、不明である場合は認証できません。
不明な場合は、先に遺言の検索を行って、確認しましょう。
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請求先の公証役場宛に郵送にて謄本交付請求を申請する
署名認証を受けたら、必要書類を請求先の公証役場宛に郵送します。
■請求先
遺言書原本が保管されている公証役場
■郵送方法
レターパック(限定)
※レターパックライト(通称青レタパ)とプラス(通称赤レタパ)のどちらでも可
※戸籍等の重要書類を送るため、送付・返送とも対面での受け取りが必要なレターパックプラスがおすすめ。
■必要書類
・署名認証を受けた「公正証書謄本交付申請書」
・認証を受けた際の必要書類すべて(戸籍謄本等)
※免許証等を除きすべて原本を送付
・戸籍等の原本の還付を希望する場合はその旨を記したメモ
・返送用レターパック(返送先の住所・氏名及び電話番号を記入)
請求先の公証役場からの電話連絡に従い、謄本交付手数料を支払う
請求先の公証役場にて書類の確認後、不備が無ければ手数料の金額及び支払い方法について電話連絡が入ります。
手数料は窓口請求の場合と同じく、遺言書のページ数×250円×通数です。
支払いは指定の金融機関口座への振り込みによって行います。(振込手数料は請求者の負担。)
なお、請求者に謄本請求の権限があるか否かについての最終判断は、署名認証を行う「最寄りの公証役場の公証人」ではなく、遺言書の原本を保管している「請求先の公証役場の公証人」が行います。
そのため、請求先の公証役場から請求内容等についての問い合わせが入ることがあり、場合によっては、謄本請求が認められない可能性もあります。(署名認証の際に戸籍等をきちんと確認するので、認められない事はほぼないと思いますが…)
入金確認後、公正証書謄本及び領収書が郵送で届く
入金確認後、翌営業日には返送用レターパックで公正証書遺言謄本が発送されます。
取得した遺言書謄本は、不動産の相続登記や金融機関での手続きの際に必要になるので、大切に管理しましょう。
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公正証書遺言謄本の請求その他の死後手続き・相続手続きのつまずきポイント
ほとんどの人にとって死後手続き・相続手続きを行うのは初めての経験でしょうから、思わぬところでつまづいてしまうことがあります。
そこでここでは、公正証書遺言謄本の請求をはじめとする死後手続き・相続手続きを自分で行う場合につまずきやすいポイントについて解説します。
ご自身で手続きを行うか悩まれている方は参考にされてください。
また、これを読んで自分には難しそうだな・・・と感じられた方はお早めに専門家に相談することをおすすめします。
死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについて
死後手続き・相続手続きを、ご自身で行う場合多くの方がつまずくポイントとしては、主に以下の3つが挙げられます。
1
平日に役所や金融機関に行く時間が取れない。
死後手続き・相続手続きを自分で行う場合、戸籍等の請求や手続きに必要な書類の提出のために役所や金融機関、法務局などに足を運ぶ必要があります。
役所や法務局の窓口は17時過ぎには閉まってしまいますし、金融機関の窓口は、ほとんどの場合15時で閉まってしまいます。
金融機関の中には14時までに受付をしないと駄目、というところもあります。
仕事や家事育児などで忙しい中、わざわざ時間を作って出向くのは厳しい…という方も多いのではないでしょうか。
2
せっかく時間を作って役所や金融機関に行ったのに、窓口が混んでいて長時間待たされた・手続きができなかった。
相続手続きについては、担当者が決まっていることが多いため、窓口が混んでいる場合、1時間や2時間待たされることも珍しくありません。
仕事の合間を縫って窓口に行ったのに、待たされた挙句、結局時間切れで手続きができなかった…という事もあるかもしれません
また、法務局や金融機関によっては、事前に予約をしないと相談や書類の提出を受け付けてくれない所もあります。そのことを知らずに窓口に行ってしまい、せっかく仕事を休んだのに無駄足になってしまった…という話もよく聞きます。
特に最近は相続手続きについては原則として事前予約が必要としている所が増えており、長時間待たされたり、予約を取れるのがかなり先の日付になってしまうことが多いようです。
3
戸籍等の必要書類を揃えたはずが、不備を指摘され、何度もやり取りをする羽目になった。
相続手続きの際は、戸籍謄本の他、遺産分割協議書や遺言書など、相続の状況によってさまざまな書類を提出する必要があります。
特に戸籍謄本については、昔のものは手書きで書かれており、判読しづらいため、すべての戸籍が揃ったと思い提出したところ、後になって金融機関から不足分の提出をお願いされてしまったという方も多いです。
また、戸籍や印鑑証明書は有効期限を設定している手続先が多いため、うっかり期限切れのものを提出してしまい、再提出が必要になってしまったというのはありがちなミスです。
不備の確認に手間取った挙句、違う書類を提出してしまい、何度もやり取りをする羽目になってしまう方も少なからずいらっしゃいます。
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
死後手続き・相続手続きの代行を当事務所に依頼した場合
公正証書遺言謄本の請求をはじめとする死後手続き・相続手続きについては、上記のようなつまずきポイントがあるため、ご自身で行おうとしたものの、やっぱり専門家に依頼することにした、という方も多いです。
当事務所では、面倒な相続手続きをまるごとおまかせできる「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続代行サービスを提供しているので、公正証書遺言謄本の請求を含む死後手続き・相続手続き全般について代行・サポートが可能です。
公正証書遺言謄本の請求を含む死後手続き・相続手続きを、当事務所にご依頼いただいた場合の主なメリットは以下のとおりです。
メリット1
死後に必要な100種類以上の手続きについて正確に把握しているため、お客様にどの手続きが必要かをご案内することが可能です。お客様の方でどのような手続きが必要かを一つずつ確認する必要はありません。
メリット2
役所や金融機関、法務局とのやり取りは基本的に当事務所が行うため、お客様が連絡をしたり、窓口に行ったりする必要はありません。
メリット3
手続きのタイミング、必要書類、郵送対応の可否など、手続先ごとに異なる手続きの内容を正確に把握しているため、効率よく手続きを進めることができ、最短で完了させることが可能です。
メリット4
相続関係その他の事情によって異なる必要書類の内容や有効期限についても正確に把握しているため、不足書類の取得で手間がかかることはありません。
メリット5
手続きの数が多い場合は、法務局で「法定相続情報一覧図」を取得するなどして、最小限のコストで効率よく手続きを行うため、戸籍等の原本還付待ちによる時間のロスや、戸籍等を多く取得しすぎたことによる無駄なコストが発生することはありません。
メリット6
手続きの進捗については、定期的に報告させていただきますので、安心してお仕事や家事育児等に専念できます。
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公正証書遺言謄本の請求でお悩みの方は専門家へ相談を!
2019年に郵送による請求が可能になったため、遺言書が保管されている公証役場が遠方であっても、謄本を取得することが容易になりました。
郵送による請求方法は独特ですが、本記事を参考にすればご自身でも手続きが可能だと思います。
しかし、謄本請求のためには最低でも一回は平日日中に公証役場に行かなくてはならず、仕事や家事で忙しい人にとっては時間を確保することが難しいかもしれません。
また、遺言書の内容によってはその後の手続きについて慎重な対応が必要な場合もあります。
故人が遺した遺言を確実に実現するためにも、公正証書遺言謄本の請求が必要な方は、その後の手続きの事も含めて、相続に精通した専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
公正証書遺言謄本の請求を含む相続手続きについてのご相談は当事務所で承ります。ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。
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