相続人って誰がなるの?ー法定相続人の範囲(3)兄弟姉妹ー
兄弟姉妹の相続分は?
前回、前々回に引き続きいくつかのケースを挙げて相続人となる方とその取り分(相続分といいます)について解説します。
今回は亡くなった方に子供も直系尊属(父母や祖父母など)もいないケースについてです。
亡くなった方に子も直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になります
ただしこれらはあくまで遺言がない場合、遺産分割をせず相続放棄などの事情もない場合の法定相続人および法定相続分についてのお話です。
遺言・遺産分割協議・相続放棄などの手続きをとることによって法定相続とは異なった相続をすることが可能です。
詳しく知りたい方、相続についてのご相談は当事務所へ。ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。
ケース6 亡くなった方に子供も孫も直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母など)もおらず、妻、姉、弟がいる場合
配偶者および兄弟姉妹が相続人となるケース(1)
亡くなった方に子供や孫も直系尊属もおらず、配偶者および兄弟姉妹がいる場合、配偶者および兄弟姉妹のみが相続人となり、他の方は相続人となりません。
それぞれの相続分は、配偶者は4分の3
兄弟姉妹は相続分4分の1を人数で均等割りとなるため
- 妻B相続分 8分の6
- 姉I相続分 8分の1
- 弟J相続分 8分の1
となります。
もし上記のケースで配偶者がいない場合は兄弟姉妹のみが相続人となり人数で均等割りとなります。(姉I弟Jでそれぞれ2分の1ずつ)
なお亡くなった方の子供や直系尊属が存命中であっても、相続放棄をした場合は、その方は亡くなった方との関係では相続人ではなくなるので、配偶者とともに兄弟姉妹が相続人となります。
では兄弟姉妹も全くいない場合や兄弟姉妹の全員が相続放棄した場合はどうなるか?
この場合、亡くなった方に配偶者がいれば配偶者がすべてを相続します。
配偶者がいない場合または配偶者も相続放棄した場合は・・・
あまり多くないケースですのでここでは詳しい説明は省略しますが、家庭裁判所を通じての手続きとなります。
ケース7 亡くなった方に子供も孫も直系尊属もおらず、妻、弟、異母兄弟である兄がいる場合
配偶者および兄弟姉妹が相続人となるケース(2)
ケース6では亡くなった方と兄弟姉妹は両親とも同じです。(全血兄弟姉妹などと言います)
では父母の一方を異にする異母兄弟や異父兄弟(半血兄弟姉妹などと言います)がいた場合はどうなるのでしょう。
こちらで解説した嫡出子・非嫡出子の場合と同じように全く同じ相続分となるのでしょうか?
実はこの場合は法律によって半血兄弟姉妹の相続分は全血兄弟姉妹の半分と定められています。(民法900条 4号ただし書き)
したがってそれぞれの相続分は、配偶者は4分の3
兄弟姉妹の相続分4分の1を全血兄弟姉妹と半血兄弟姉妹で2:1の割合で人数に応じて割るため
- 妻B相続分 12分の9
- 弟J相続分 12分の2
- 兄K相続分 12分の1
となります。
ちなみに上記のケースで亡くなった方に半血兄弟姉妹しかいない場合は、その方が相続分4分の1をすべて受け継ぐことになります。
非嫡出子のケースと比べて異なった扱いがされていますが、実際には連れ子などで全血兄弟姉妹と分け隔てなく育てられたという場合もあり、不公平なようにも思えます。
しかし上記はあくまで法定相続分についてのお話であり、遺言の活用などによってこれとは異なった相続が可能です。
ご自身が亡くなられた後に、身内が相続をめぐって揉めることのないよう遺言の活用について検討してみてください。
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