叔父・叔母が亡くなった時の相続手続きとは?甥や姪は相続人になる?
叔父・叔母が亡くなったらどんな手続きが必要?
子供がいない叔父や叔母(伯父・伯母)が亡くなった場合、父母・祖父母もすでに亡くなっていれば、きょうだい(兄弟姉妹)が相続人になります。。
さらに兄弟姉妹も亡くなっていれば、その子供、つまり甥や姪が相続人になります。
叔父や叔母の相続はなにが大変?
甥や姪が相続人になる場合、手続きに必要な戸籍の範囲が非常に広く、また、被相続人や他の相続人関係性が遠いことも多いので、通常よりもかなりやっかいです。
ここでは、叔父・叔母が亡くなり、甥や姪が相続人になる場合の相続手続きについて、どのような手続きが必要でどのように進めていくべきかを、相続実務に精通した専門家が解説します。
本記事を読めば、手続きの進め方がわかり、ご自身で対応することも可能です。
また、自分では難しそう…と感じられた方はお早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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叔父・叔母が亡くなったときの死後手続き・相続手続きにおいて、お客様にどのような手続きが必要で、どのように進めていくべきかをご案内させていただくため、当事務所では無料相談を行っています。
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叔父・叔母(伯父・伯母)が死亡したときの相続関係
亡くなった方に子供がおらず、父母・祖父母もすでに亡くなっている場合、きょうだい(兄弟姉妹)が相続人になります。
さらに兄弟姉妹も先に亡くなっている場合は、その子供(亡くなった人から見て甥や姪)が繰り上がりで相続人になります。(代襲相続と言います)
相続人には法律で定められた最低限の取り分(法定相続分)がありますが、兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合、相続関係によって法定相続分が異なります。
以下、ケースごとに解説します。
case
ケース1 配偶者がいないケース(死亡している場合含む)
被相続人(亡くなった方)に配偶者がおらず、兄弟姉妹や甥姪のみが相続人になる場合、兄弟姉妹の法定相続分は人数で均等割りとなります。
また、先に死亡した兄弟姉妹がいる場合、その方に子供(甥姪)がいれば相続人になりますが、甥姪の法定相続分は亡くなった親(兄弟姉妹)の法定相続分をそのまま引き継ぎます。
甥姪が複数いる場合は人数で均等割りとなります。
兄弟姉妹と甥姪の法定相続分(配偶者無し)
case
ケース2 異父・異母きょうだいのケース
ケース1では被相続人と兄弟姉妹は両親とも同じ(全血兄弟姉妹)ですが、父母の一方を異にする異母兄弟や異父兄弟(半血兄弟姉妹)の場合は、異母・異父きょうだいの法定相続分は両親とも同じきょうだいの2分の1になります。
甥姪は親の相続分を引き継ぐので、異父・異母きょうだいの子である甥姪の法定相続分は両親とも同じ兄弟の子である甥姪の2分の1になります。
異父・異母きょうだいの子供(甥姪)の法定相続分(配偶者無し)
case
ケース3 配偶者と兄弟姉妹・甥姪が相続人になるケース
亡くなった時点で被相続人に配偶者がいる場合は、配偶者及び兄弟姉妹・甥姪が相続人となります。
それぞれの法定相続分は、配偶者は4分の3、兄弟姉妹は4分の1となります。
甥姪は親である兄弟姉妹の法定相続分を引き継ぎ、複数いる場合は人数で均等割り、異母・異父きょうだいの相続分が両親とも同じきょうだいの2分の1になるのも同様です。
兄弟姉妹と甥姪の法定相続分(配偶者あり)
甥姪が相続人になる場合の相続関係や法定相続分について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
なお、兄弟姉妹や甥姪が法定相続人になるケースでも、遺言書がある場合は、遺言書に従って相続されることになります。
叔父・叔母(伯父・伯母)の相続手続きで必要な戸籍の範囲
相続手続きを行うにあたっては、原則として「被相続人の相続関係を証明する全ての戸籍謄本等」が必要になります。
甥や姪が相続人になる場合、相続関係の証明のために、通常よりもたくさんの戸籍を集めなくてはなりません。
具体的には、下記のような戸籍が必要になります。
なお、一つの戸籍で複数の役割を兼ねることがありますが、同一の戸籍については一つあれば足ります。
【必ず必要な戸籍】
・被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
・被相続人の父母(場合によっては祖父母も)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
・相続人である兄弟姉妹及び甥姪の現在の戸籍謄本
・先に死亡した兄弟姉妹(相続人である甥姪の親)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等
【場合によって必要な戸籍】
・(先に死亡した子供のいない兄弟姉妹がいる場合)先に死亡した相続人の死亡の記載のある戸籍謄本等
・(相続放棄した先順位相続人がいる場合)相続放棄した人の現在の戸籍謄本
特に、父母(場合によっては祖父母も)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等は、かなり昔の戸籍までさかのぼる必要があるのですが、昔の戸籍は手書きのため、解読するのも一苦労です。
自分たちで戸籍を集めるのが難しそう…と思われた方は、お早めに相続手続きを代行してくれる専門家等に依頼した方がいいでしょう。
相続手続きに必要な戸籍の種類と集め方についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
叔父・叔母(伯父・伯母)が死亡したときに必要な手続き
叔父・叔母(伯父・伯母)が亡くなった後は、大小様々な手続きが必要になります。
まずは死亡後の手続きの全体像を把握しておきましょう。
一般的に必要になる手続き・届出とそのタイムスケジュールは以下の図の通りです。
必要な手続き・届出とタイムスケジュール
手続きを進める目安としては
・初七日が終わって少し落ち着いてから、公共料金などの各種変更・解約手続きおよび年金・生命保険関係の手続きを行う。
・亡くなってから2~3か月後ぐらいまでには、遺産を引き継ぐ手続きの前提となる相続人及び相続財産の調査を終了させる。
・亡くなってから半年~8か月後ぐらいまでに遺産分割協議を終了させる。
・その後、遺産分割協議(または遺言)に従って、不動産の名義変更や預貯金の解約払い戻しなどの遺産相続手続きを行う。
・相続税の申告が必要な場合は、亡くなってから10か月以内に必要に相続税の申告及び納付手続きを行う。
と言ったところです。
もちろんあくまで目安なので、個々の事情によって優先順位や期間は異なる場合もあります。
手続きの進め方について不安な方や、お急ぎの方は専門家へのご相談をおすすめします。
身近な人の死亡後に必要な手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
叔父・叔母(伯父・伯母)の相続が大変な理由
叔父・叔母(伯父・伯母)が亡くなり、甥や姪が相続人になる場合、配偶者や子供のみが相続人となるケースと比べて、手続きが大変なことが多いです。
その理由としては以下のようなものが挙げられます。
・戸籍の量が多く、集めるのが大変
・相続人の中に高齢者が多い
・相続人が離れて暮らしている
・相続人同士が疎遠である
・被相続人との生前の交流がほとんどない
・手続き中に新たに相続が発生してしまう
以下、それぞれについて解説します。
戸籍の量が多く、集めるのが大変
先に述べた通り、甥や姪が相続人になる場合、通常よりも多くの戸籍が必要になります。
婚姻や転籍等で別の自治体へ本籍を移した場合は、戸籍を解読して移動先の役所に請求する必要がありますが、昔の戸籍は手書きのため、読み解くのに苦労します。
また、何とか読み取っても、合併や町名変更等があったため、請求先がわからないという事はよくあります。
戸籍収集が大変なケースの具体的な事例はこちら
相続人の中に高齢者が多い
甥や姪が相続人になるケースでは、他に存命のきょうだいがいて、相続人になることも多いです。
兄弟姉妹は年齢が近いため、相続発生時点で相続人も高齢であることが多いです。
相続人の中に認知症等で意思能力が無い方がいると、家庭裁判所で成年後見人を選んでもらわなければ手続きを進められません。
また、健康上の理由で外出が難しい方がいるため、なかなか手続きが進まないという事もよくあります。
そうなると、年齢が若くて動ける甥や姪が中心となって動かざるを得ず、仕事を休んでまで対応が必要になるなど、手続きの負担が重くのしかかる…ということも少なくありません。
相続人の中に高齢者が多くて大変なケースの具体的事例はこちら
相続人が離れて暮らしている
兄弟姉妹や甥姪は、それぞれ独立して暮らしていることが普通です。
関係者全員が物理的に近くにいる場合は、集まって話し合ったり、書類に署名をもらう事も簡単でしょうが、離れて暮らしている場合はそうもいきません。
郵送等でやり取りするにしても、微妙なニュアンスの意思疎通や、書き間違いがあった場合の対応等で苦労する事は多いです。
また、被相続人の近くに住んでいる方が中心となって動くことになるため、どうしても負担が偏ってしまい、不満が貯まる原因となりやすいです。
相続人が離れて暮らしているため大変なケースの具体的事例はこちら
相続人同士が疎遠である
兄弟姉妹や甥姪が相続人になるケースでは、長年交流がなく、相続人同士が心理的に遠いというケースもよくあります。
疎遠な方に連絡を取るのはただでさえ気が重いことでしょう。遺産の分け方についての話となればなおさらです。
連絡が取りづらいからと言ってその方を除いて相続手続きを行うわけにはいかないので、何とかして連絡を取る必要がありますが、相続人の関係性によっては心理的にかなり負担がかかる作業です。
疎遠な相続人がいて大変なケースの具体的事例はこちら
疎遠な相続人がいるときの相続手続きについてくわしくはこちらの記事をご参照下さい。
被相続人との生前の交流がほとんどない
こちらは亡くなった方(被相続人)と相続人が疎遠なケースです。
兄弟姉妹であれば一度は一緒に暮らしていた時期がある事がほとんどでしょうが、甥姪となると事情は違います。
きょうだいの関係性によっては、幼い頃に何度か会ったきりで、数十年間交流が全くないという事もめずらしくありません。
そうなると、被相続人の暮らしぶりや財産の状況が全く分からず、どこから手を付けていいかわからないという事もあり得ます。
特に相続人が一人しかいないケースでは、自分で全てを行わなくてはならないので、かなりの負担になります。
本当に何もわからない場合、住居の清掃や遺品整理から始めて借金等の有無を調査し、場合によっては相続放棄も検討しなければならないので、被相続人との関係が疎遠な場合は、一度専門家へ相談することを強くおすすめします。
疎遠な親族が亡くなり、一人で手続きを行うことになったため大変なケースの具体的事例はこちら
手続き中に新たに相続が発生してしまう
先に述べたとおり、きょうだい間相続では相続人が高齢なことが多いです。
そのため、手続きが長引くと相続人が手続き中に亡くなってしまうことがあります。
その場合、亡くなった相続人の配偶者も相続人になるので、相続関係が複雑になり、さらに話がややこしくなってしまうことが多いです。
手続き中に相続が発生したために大変なケースの具体的事例はこちら
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、叔父・叔母が亡くなった場合の相続手続きについてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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専門家による相続手続き代行についてくわしくはこちら
叔父・叔母(伯父・伯母)が死亡したときの相続手続きの流れ
叔父・叔母(伯父・伯母)が亡くなり、甥姪が相続人になる場合の相続手続きの流れは、相続をめぐる状況によっても異なりますが、一般的には以下のように進めることが多いです。
※クリックするとそれぞれの手順の詳しい解説へ移動します。
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以下、それぞれの手順について解説します。
遺言書の確認
相続手続きを行うにあたっては、まずは遺言の有無を確認することが再優先となります。
遺言書がある場合、遺言の内容に沿って手続を進めることになるので、その後の手続きに大きな影響があります。
遺言書には主に自筆のものと公正証書で作成したものがあり、それぞれ調査方法が異なります。
故人の自宅等を調べるのはもちろんですが、公証役場や法務局で一括して調べることもできるので、念のため調査しておきましょう。
遺言書の調査方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
戸籍集め
遺言書がない場合、基本的には相続人全員の同意のもと手続きを進めることになります。
そのため、戸籍を集めて相続人が誰かを客観的に確定させる必要があります。
先に述べたとおり、甥や姪が相続人になる場合は必要な戸籍の範囲が広く、この段階でつまずく方も多いです。
戸籍を集めないとその後の手続きを進めることはできないので、難しいと感じられたら、お早めに司法書士などの専門家に依頼することをおすすめします。
財産・債務の調査
遺産の分け方を決めるにあたっては、遺産分割協議の対象となる財産を確定する必要があります。
また、財産目録や相続税申告書に記載するために、残高証明書等の財産の評価額を客観的に証明できる資料を取得しておく必要があります。
取得する資料は財産の種類によって異なりますが、主な例としては以下のとおりです。
財産の種類 | 取得する資料 |
---|---|
不動産 | 登記事項全部証明書(登記簿謄本)、固定資産税評価証明書、名寄帳 |
預貯金 | 残高証明書、(必要に応じて)取引履歴 |
株式、投資信託等 | 残高証明書など |
保険契約等 | 相続評価額証明書、契約内容の案内など |
ゴルフ場会員権等 | 相続評価額証明書など |
なお、残高証明書等は必ず「相続開始日時点のもの」を取得してください。
相続財産の調査方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
また、甥や姪が相続人になる場合、関係性が薄く、故人の生活状況がわからないということも珍しくありません。
その場合、プラスの財産だけではなくマイナスの財産(債務)についてもしっかりと調査しておきましょう。
万が一プラスの財産より債務が大きい場合は、相続放棄を検討すべきです。
相続放棄は、相続発生を知った日から3か月以内に手続きを行う必要があるので、財産・債務の調査は速やかに完了させましょう。
債務の調査方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、叔父・叔母が亡くなった場合の相続手続きについて、戸籍収集・相続人の調査、相続財産の調査含めてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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相続関係説明図・財産目録の作成
相続関係及び財産の調査が完了したら、相続関係説明図と財産目録を作成しましょう。
相続関係説明図とは、亡くなった方の相続関係を家系図のような形でわかりやすく説明したものです。
相続関係説明図の見本
財産目録とは、相続財産の種類、数量、金額等を一覧表の形式でわかりやすくまとめたものです。
財産目録の見本
財産目録に記載する財産の所在や、種類、数量等については登記簿謄本や残高証明書を確認して正確に記載しましょう。登記簿謄本や残高証明書は財産の根拠資料として、コピーを財産目録に添付しましょう。
相続関係説明図や財産目録は作成が必須というわけではありませんが、きちんとした資料がある事で、その後の遺産分割協議がスムーズに進みます。
特に兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合は、相続人同士の関係性が薄いことも多いので、後々トラブルにならないように作成しておくことをおすすめします。
財産目録のひな型や作成方法についてはこちらの記事をご覧ください。
相続関係説明図・財産目録の作成をまるごとおまかせしたい方はこちら
遺産分割協議
戸籍集めと相続財産の調査が終わり、調査結果がまとまったら、相続人全員で遺産の分け方について話し合うことになります。
話し合いの方法に決まりはないので、必ずしも一堂に会して話し合う必要はありません。
相続人同士の関係性や居住地等に合わせて、適宜電話やメール、郵送等の方法で連絡を取り、話し合えばいいでしょう。
電話でやり取りする場合は、後で食い違いが起きないように、メモを残しておきましょう。
遺産の分け方は相続人全員の合意があれば自由に決めて構いませんが、基本的には法定相続分がベースになると考えてください。
遺産分割の方法と揉めないための注意点についてはこちらの記事をご覧ください。
遺産分割協議書の作成
遺産の分け方が決まったら、遺産分割協議書を作成します。
遺産分割協議書の記載例
遺産分割協議書の記載に不備があると、相続手続きに使えないこともあるので、戸籍や登記簿謄本、残高証明書等をよく確認して正確に記載しましょう。
遺産分割協議書のひな型や記載方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
遺産分割協議書、相続手続き書類への署名押印の手配
作成した遺産分割協議書には、相続人全員の署名押印を貰い、印鑑証明書を提供してもらう必要があります。
また、場合によっては金融機関や保険会社等の所定の書類に、相続人の署名や押印が必要なこともあります。
署名押印についても全員が集まって行う必要はなく、郵送で順次回していく形でも大丈夫です。
相続人の人数が多い場合は、やり取りの手間を省くために、各自がそれぞれ単独で署名押印した書面(下図参照)をまとめて提出する方法(証明書形式)をおすすめします。
遺産分割協議証明書の見本
こちらの方法であれば、各相続人にそれぞれ書類を送り、そのまま返送すればいいので、やり取りの時間は短縮でき、破損・汚損のリスクも最小限で済みます。
遺産分割協議書は印鑑証明書とセットで必要になるので、発行後6か月以内(金融機関によっては3か月以内)の印鑑証明書を一緒に提供してもらいましょう。
遺産分割協議証明書の作成方法やひな型についてはこちらの記事をご覧ください。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、叔父・叔母が亡くなった場合の相続手続きについて、遺産分割協議書の作成及び署名捺印の手配含めてすべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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名義変更、解約等手続き
相続人全員の署名押印及び印鑑証明書が揃ったら、法務局や金融機関で相続手続きを行います。
手続きの際には遺産分割協議書と印鑑証明書のほか、戸籍謄本等も一緒に提出します。
先述のとおり、金融機関では発行から6か月以内の印鑑証明書の提出を求められるので、期限切れによる再取得の手間が生じないよう速やかに手続きを終わらせましょう。
甥や姪が相続人になる場合、居住地等の関係で手続きを分担するのが難しいということも多いです。
特定の方に負担がかかることを避けたい場合は、相続手続きを代行してくれる専門家に依頼するといいでしょう。
相続預金の分配、費用等の清算、完了書類の引き渡し
代表相続人が預金を受取り、各相続人へ分配する場合は、相続預金の振込後に、金融機関からの受取額や相続人への分配額を記載した計算書を作成しておきましょう。
また、手続きにかかった費用についても、精算書等を作成し、きちんと清算しておきましょう。
預貯金や不動産等の相続手続きがすべて完了したら、各相続人への報告と共に書類を引き渡して完了になります。
特に遺産分割協議書は、相続人の合意事項を証明する大切な書類なので、各相続人が1部ずつ保管しておくようにしましょう。
なお、当事務所(司法書士法人東京横浜事務所)では、叔父・叔母が亡くなった場合の相続手続きについて、不動産の名義変更や預貯金の解約などの手続きのほか、各相続人への財産の分配、手続き完了の報告まですべておまかせ可能な「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続手続き代行・サポートのサービスをご提供しております。ご相談は無料で承ります。
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必要に応じて行う手続き・期限が短いもの
一般的な相続手続きの流れは上記のとおりですが、遺産の額や故人の状況によっては、他にも様々な手続きが必要になります。
その中でも以下の手続きは、手続きの期限が短いので、該当する方は迅速に対応する必要があります。
相続放棄(3か月以内)
故人に多額の借金がある場合など、プラスの財産よりマイナスが大きい場合は、相続放棄をすれば、プラスの財産ももらえない代わりに債務を引き継がずに済みます。
相続放棄をするためには、相続発生を知った日から3か月以内に家庭裁判所に申立てを行う必要があるので、早めに手続きを行いましょう。
また、財産の処分行為(預金の引き出し・使用や不動産の名義変更など)を行ってしまうと、相続を承認したとみなされ(単純承認)、相続放棄することができなくなるので気を付けましょう。
相続放棄についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
準確定申告(4か月以内)
亡くなった方に年金や給与所得以外の所得がある場合など、一定の要件に当てはまる場合は、相続発生から4か月以内に確定申告(通称:準確定申告と言います)を行う必要があります。
亡くなった方自身はおこなう事はできないので、相続人全員の連名で申告をすることになりますが、資料集めに時間がかかると4か月はあっという間に過ぎてしまうので、該当する方は早めに取り掛かりましょう。
確定申告は自分で行うこともできますが、経験が無い方が、一から調べて申告するのはかなりの負担になるので、費用はかかりますが税理士に任せてしまった方が楽かもしれません。
相続税の申告(10か月以内)
遺産の総額が基礎控除額(3000万円+(600万円×相続人の人数))を超える場合、相続税の申告が必要になります。
相続税には配偶者控除や小規模宅地等の特例があり、一定の要件を満たせば納税はゼロで済むケースもありますが、その場合でも特例の適用を受けるために申告は必要なので注意しましょう。
相続税の申告は、評価方法や申告すべき財産について気を付けるべき点が沢山あり、よくわかっていない方が自分で申告をするとかなりの確率で税務調査の対象に選ばれてしまうので、相続に強い税理士への依頼をおすすめします。
相続税の申告についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
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甥・姪が相続人になる場合の注意点
甥や姪が相続人になる場合、上記以外にも特有の注意すべき点がいくつかあります。
遺留分がない
遺留分とは、法定相続人に最低限認められた取り分です。
遺言書で遺産の分け方が指定されている場合に、自分の貰える財産が遺留分を下回る方は、多く貰う方に対して不足分の金銭の支払いを求めることができます。
しかし、兄弟姉妹には遺留分が無く、甥や姪にも遺留分はありません。
そのため遺言がある場合、例え一切遺産を貰えない内容だとしても、金銭の支払いを求めることはできません。
遺留分についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
相続税が2割増し
相続や遺贈によって財産を取得した人が、被相続人の一親等の血族(代襲相続人である孫を含む)及び配偶者以外である場合は、その人の相続税額は、本来の相続税額の2割に相当する額が加算された金額となります。
甥や姪は血族3親等にあたるため、相続税は2割増しとなるので、相続税の計算の際は注意しましょう。
再代襲がない
ここまで説明してきたとおり、被相続人より先に相続人であるきょうだいが死亡していた場合は、きょうだいの子供(被相続人の甥姪)が代襲相続して相続人になります。
被相続人の孫が代襲相続する場合は、孫も先に死亡していればその子供(被相続人のひ孫)が、さらに代襲して相続人になりますが、兄弟姉妹の場合は再代襲相続はありません。
兄弟姉妹に加えてその子供(甥姪)まで亡くなっているときは、さらにその下の世代には行かず、他の相続人の相続分が増えることになるので、相続人を特定する際は気を付けてください。
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甥・姪が相続人になる方は遺言書を作成しておきましょう
ここまで、甥や姪が相続人になるときの相続手続きについて解説してきましたが、故人が生前に遺言書をのこしていれば、遺産分割協議は不要なので、このような面倒な手続きはほとんど行わずに済みます。
特に子供がいない方の場合、兄弟姉妹のうち特定の方と仲が良く、その方に多くの財産を遺したいと考える方は多いのではないでしょうか。
しかし、遺言書が無ければ、いくら生前仲が良くても、基本的には他の方と同じ分の権利しか主張することはできません。
一方、兄弟姉妹や甥姪には遺留分が無いため、遺言さえ残しておけば100%自分の希望を実現することができます。
ただし、遺言書の記載に不備があると、手続きを行うために他の相続人の協力が必要となり、無駄に軋轢を生むかもしれません。
大切な方に負担をかけないためにも、遺言書を作成する際は相続の専門家に相談の上、不備のないものを作成しましょう。
遺言書作成の際の注意点等についてくわしくはこちらをご覧ください。
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まとめ
叔父や叔母が亡くなった時の相続手続きは、通常よりも時間も手間もかかることが多いですが、本記事を参考に一つずつ進めて行けば、自分たちで行うことも可能です。
ただ、相続をめぐる事情は人によって異なるので、ここでは書ききれないイレギュラーな事態も普通に起こります。
また、手続きのやり方はわかっても、それを行うための時間が取れないという方もいるでしょう。
自分たちだけでは難しいと思われた方は、相続手続きの経験が豊富な専門家への相談・依頼を検討してみて下さい。
叔父・叔母(伯父・伯母)の相続でお困りの方は専門家に相談しましょう!
当事務所では、叔父や叔母が亡くなった時の相続手続きについて、これまでに多くのご相談・ご依頼をいただいております。
当事務所がお手伝いした、叔父や叔母が亡くなり、甥や姪が相続人になる相続手続きの事例についてはこちらをご覧ください。
自分でやろうとしたが無理そうなのでご相談に来られた、ご依頼されたお客様のお話を聞くと、「専門家に任せることでこんなに上手く行くなら費用はかかっても初めから依頼すればよかった。」という声を多くいただきます。
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甥や姪が相続人になる場合、相続人同士が疎遠だったり、故人の財産状況の把握から始めなければならないケースも多いので、慣れない手続きに疲弊してしまう前に、お早めに一度相談することをおすすめします。
ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。
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