借入金の相続・亡くなった方の債務を引き継いだ場合に必要な手続きについて

債務を相続した場合に必要な手続きとは?

亡くなった方にアパートローンや事業のための借入があり、相続放棄せずに返済を続ける場合、借入の内容や相続のケースによってさまざまな手続きが必要になります。。

ここでは、借入金等の債務を相続した場合の手続きについてくわしく解説するとともに、債務の承継手続きをはじめとする死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについても解説します。

債務を相続する場合の手続きとは?

なお、残っている債務が住宅ローンの場合、亡くなった方が団信(団体信用生命保険)に加入していれば保険金により完済扱いとなります。この場合、債務の承継手続きではなく金融機関での手続き及び抵当権抹消登記が必要なので、下記のページを参考になさってください。

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相続債務の承継手続きをはじめとして、お客様にどのような手続きが必要なのかをご案内させていただくため、当事務所では無料相談を行っています。

当事務所では、身近な人が亡くなった後に必要な死後手続き・相続手続きに関して、数多くのご相談とご依頼を受けています。

このような豊富な相談経験を活かし、お客様に必要な手続きと最適なサポートを提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

目次

亡くなった方の債務は相続人に引き継がれるのが原則

民法では、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」と定められています。(民法第896条)

「被相続人の財産」にはプラスの財産だけではなく、マイナスの財産も含まれます。そのため、亡くなった方に借入金等の債務(マイナスの財産)がある場合、法定相続人全員に法定相続割合で引き継がれるのが原則です。

故人に債務がある場合の選択肢は3つ

亡くなった方に借入金等の債務がある場合、相続するかどうかについて以下の3つの中から選択することになります。

1.相続放棄する。

2.限定承認する。

3.債務を含めて相続し、返済を継続する。(単純承認する)

以下、それぞれについて解説します。

相続放棄

相続放棄とは、プラスの財産を含めた被相続人の一切の権利義務を放棄することです。

亡くなった方の残した債務の額が、プラスの財産を明らかに上回る場合は、相続放棄をすることによって債務を引き継がずに済みます。

相続放棄する場合、相続開始を知ったときから3か月以内に家庭裁判所で手続きを行う必要があります。

相続放棄は各相続人が単独で行うことができるので、相続放棄をした方については、その他に債務に関する手続きは不要です。

相続放棄についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

限定承認

限定承認とは、プラスの遺産の範囲で債務を清算して、債務が残った場合も返済せずに済むという相続方法です。

限定承認する場合は、相続人全員が共同して行わなければならず、家庭裁判所での手続きが必要です。

プラスの財産とマイナスの財産のどちらが大きいかわからない場合には便利な方法ですが、手続きに相当の手間と費用がかかるため、実際のところはほとんど利用されていません。

債務の額が大きいがプラスの財産の額も大きい場合、特に故人が会社を経営していて、会社関係の財産の詳細が不明な場合や、不動産を多数所有しているが実際にどれぐらいの価格で処分できるかわからない場合などには、手間と費用をかけてもやるメリットはあるので、司法書士や弁護士等の専門家に相談しましょう。

債務を含めて相続し、返済を継続する(単純承認)

プラスの財産もマイナスもすべて相続することを単純承認と言います。

特に裁判所での手続きは必要なく、相続開始後3か月以内に相続放棄や限定承認をしなかったときや、遺産の処分を行った場合には単純承認したものとみなされます。

故人に債務があっても、プラスの財産の方が明らかに大きい場合は、こちらの方法で相続することになります。

以下では、こちらの方法で相続した場合に必要な手続きについてくわしく解説します。

死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら

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債務を相続する場合のパターン別の手続き内容

亡くなった方の債務を含めて相続する場合、返済方法、抵当権の有無によって必要な手続きは異なります。

以下、パターン別にそれぞれ解説します。

すぐに一括返済する

故人の債務がそれほど多額でない場合、最も簡単なのは、相続予定の遺産から、又は相続人の固有財産から一括で返済してしまう方法です。

返済方法等について債権者に確認する必要はあるかもしれませんが、債権者としても返済さえしてくれればいいので、債務引き継ぎのための特別な手続きは基本的には不要です。

医療費や税金、カードローンやクレジットカードの利用料金等の比較的少額な債務であれば、一括清算してしまった方が面倒が無くていいでしょう。

ただし、相続人が複数いる場合は、後でトラブルにならないように、誰がどのように債務を清算するか、立替えた後の処理はどうするか(後で他の相続人から回収するか、遺産分割の際に立替分を考慮するかなど)について事前にきちんと話し合った上で清算した方がいいでしょう。やむを得ず先に支払う場合でも、請求書や領収書、明細書等の債務の金額と内訳がわかる資料はとっておきましょう。

なお、債務を担保するため故人の不動産に抵当権が設定されていた場合は、完済後に抵当権抹消登記を行う必要があります。

手続の流れ、必要書類など抵当権抹消についてくわしくはこちら

相続人がそれぞれ自分の法定相続分に応じて返済する

先に解説したとおり被相続人の債務は、法定相続人全員に法定相続割合で引き継がれるのが原則です。

そこで、原則通り相続人それぞれが、自分の負担部分(法定相続割合)について、一括返済する、又は継続して返済することもできます。

この場合、返済方法等については債権者と個別にやり取りすることになります。

債権者によっては、ばらばらに請求するのは面倒なので代表者を決めて欲しい等と言われる可能性はあるかもしれませんが、応じる義務はありません。

もし相続人の中に相続放棄をした方がいる場合、その方の負担部分については、相続順位及び法定相続分に応じて、他の相続人が負担することになります。

ただし実際には、相続人が一人しかいないケースを除いてこのような方法で返済を続けるケースは少なく、多くの場合は次項で解説する特定の相続人が債務を引き継ぐ方法によって返済することになるでしょう。

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債権者と相談の上、特定の相続人が継続して返済する(抵当権無の場合)

債務を相続して返済を継続する場合に、相続人が複数いるときは、相続人間で遺産分割協議を行って誰が債務を引き継ぐかを決めることが多いです。

先述のとおり、債務は相続開始時点において当然に法定相続分で相続されるため、厳密に言うと遺産分割の対象にはなりません。ただし、債務を引き継ぐ方のみが返済義務を負い、他の相続人は返済義務を免れるという相続人間での合意(免責的債務引受と言います。)は、当事者間では有効です。

しかし、相続人間の合意によって負担割合を変更したとしても、そのことを直ちに債権者に主張できるわけではありません。仮に金融機関等の債権者から各相続人に対して請求があった場合は、法定相続分の範囲内で各自が支払う必要があります。

ただし、相続人間で合意した内容について、債権者から承諾を得られれば、以後は合意によって定めた方のみが債務を負担し、他の方は返済義務を免れることになります。

金融機関にとっても、複数の相続人にそれぞれ請求するのは手間ですし、時効の管理等も大変なので、債務を引き受ける方に十分な返済能力があるのであれば悪くない話です。

実務上は、相続人間で行った遺産分割協議の内容を債権者(金融機関等)に提出し、承諾が得られれば、金融機関と債務を引き継ぐ相続人との間で債務の引き受けに関する契約(債務承継契約や免責的債務引受契約)を結ぶことが多いです。

金融機関の承諾を得る際には、債務を引き継ぐ方の収入審査等が必要な場合もあり、必ず承諾を得られるとは限りません。残債務が少ない場合や、担保不動産の価値が大きい場合はそれほど問題になりませんが、場合によっては追加で連帯保証人を求められたり、免責的債務引受ではなく重畳的債務引受を求められることもあります。

免責的債務引受とは?

特定の債務につき、新たに債務者となる者(引受人)がすべて引き受ける代わりに、既存の債務者は責任を免れるという債務引受の方法。債権者と引受人による契約の他、債務者と引受人の契約に債権者が承諾をすることでも成立する。

なお、引受人がすべての債務を引き受けると共に、既存の債務者も引き続き連帯して債務を負う形の債務引受方法を重畳的債務引受と言います。

亡くなった方の債務について、担保(抵当権)が設定されていない場合は、債権者との間で債務の債務の引き受けに関する契約を結んだら、後はそのまま返済を行って行けばよく、この他に特別な手続きは必要ありません。

一方、被相続人の債務を担保するために、不動産に抵当権が設定されていた場合は、次項で解説する「抵当権の債務者変更登記」が必要になります。

なお、債務者とは別に保証人(物上保証人含む)がいる場合、相続による保証人の地位への影響は無いので、引き続き保証債務を履行する義務を負います。

ただし、保証人が負うのはあくまで相続された(法定相続分に応じて各相続人が負担する)原契約に関する保証債務のため、免責的債務引受について保証契約を継続させるためには、保証契約移転についての保証人の書面による同意(承諾)が必要になります。保証人の同意が無い場合、保証契約は消滅します。

保証債務の相続についてくわしくはこちらもご覧ください。

債権者と相談の上、特定の相続人が継続して返済する(抵当権有の場合)

上記で解説したとおり、特定の方が債務を相続して返済を継続する場合は、金融機関等の承諾を得て、債務の引き受けに関する契約を結ぶことが一般的です。

そして、この場合に債務を担保するために不動産に抵当権が設定されていれば、金融機関等との契約締結後に、合意内容に従って「抵当権の債務者変更登記」を行うことになります。

抵当権の債務者変更登記は、登記義務者(不動産の所有者)と登記権利者(債権者・金融機関等)の共同申請で行います。

遺産分割協議について金融機関等の承諾を得た場合は、基本的には「相続」を原因として、債務を引き継ぐ相続人へ直接変更することができます。(法定相続人全員への債務者変更登記を経る必要はないということ)

ただし、債権者によっては相続及び債務承継の経緯を明らかにするために、

1.相続を原因とする法定相続人全員への債務者変更登記

2.免責的債務引受を原因とする特定相続人への債務者変更登記

の順で申請することを求められる場合もあります。

いずれにしても申請に間違いがあってはいけないので、通常は、金融機関か不動産所有者指定の司法書士に委任して申請することがほとんどです。

なお、登記にかかる費用は通常、登記権利者の負担もしくは当事者双方で折半となりますが、抵当権の債務者変更登記については、登記義務者が負担するのが慣例となっています。

抵当権の債務者変更登記についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

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根抵当権が設定されている場合

上記で、抵当権が設定されている場合は債務者変更登記が必要と解説しましたが、設定されているのが根抵当権の場合は、手続きが異なります。

根抵当権(ねていとうけん)は通常の抵当権とは異なり、一定の範囲に属する借入について、限度額(極度額)の範囲内であれば何度でも担保するという性質があるため、債務を完済しても消滅しません。

被相続人の債務を担保するために根抵当権が設定されている場合は、まず、今後その根抵当権を利用して融資を受ける可能性があるかを考える必要があります。(根抵当権は事業資金の融資のために設定されることがほとんどです。)

今後も継続して融資を受ける予定があるのであれば、相続開始から6か月以内に「相続人全員への債務者変更登記」及び「指定債務者の合意の登記」を行う必要があります。

たとえ、相続開始時点での債務がゼロであっても、設定済みの根抵当権を利用して融資を受けたい場合は、期限内に登記をしなければならないので注意しましょう。

また、免責的債務引受契約によって引き受けた債務を引き続き根抵当権で担保するためには、引受債務を特定債権として追加する根抵当権変更登記(債権の範囲の変更)をあわせて行う必要があります。

なお、変更登記をしなかった場合は、融資の際に改めて根抵当権等の設定契約及び登記を行うことになりますが、変更登記と比べて登録免許税等の費用が割高になります。

一方、根抵当権を利用して追加融資を受ける予定が無い場合も、特定の方が債務を引き継ぐ場合は、根抵当権の変更登記が必要になります。

この場合、「相続人全員への債務者変更登記」及び「債務引受を原因とする債務者変更登記」を行うことになります。この登記は6か月以内という期間制限はありません。

いずれにしても根抵当権の変更登記は抵当権よりさらに複雑なため、司法書士に依頼することになるでしょう。

なお、根抵当権の変更登記が必要なのは、債務者である個人が死亡した場合であり、債務者が法人になっている場合は(故人が代表取締役等だった場合でも)、指定債務者の合意の登記等は不要です。

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敷金を預かっている場合

亡くなった方がアパート等の賃貸物件を経営していた場合、賃貸借契約の際に敷金を預かっていることが多いと思います。

この敷金は退去時に清掃費や未清算家賃等を差し引いて返却しなければならないため、「敷金返還債務」として相続債務にあたります。

敷金返還債務は金銭債務のため、法定相続人に分割承継されそうですが、実際には賃貸物件を相続した相続人がすべての敷金返還債務を引き継ぐことになります。

敷金返還債務は賃貸人の地位の承継と共に新賃貸人に引き継がれるという考えに基づくためで、敷金の承継に関して債権者である賃借人の承諾は不要です。(ただし賃借人に賃貸人の地位の承継を主張するためには、相続による所有権移転登記が必要になります。)

実務上は、遺産分割協議の際に、賃貸物件を相続する方に敷金相当額の金銭を相続させるという対応を取ることが多いです。

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保証人になっていた場合

ここまで亡くなった方が債務者だった場合の手続きについて解説してきましたが、亡くなったのが債務者ではなく、保証人(連帯保証人)だった場合は何か手続きが必要なのでしょうか?

この点、保証人の地位及び保証債務も「被相続人の財産に属した一切の権利義務」に含まれるため、相続によって各相続人に承継されます。将来保証債務の履行を請求された場合は、法定相続分割合に応じて各相続人が負担することになります。

保証人に相続が発生しても主債務に変動が生じるわけではないので、原則として手続きは不要です。ただし、相続人のうち特定の方のみが保証人の地位を引き継ぎたい場合などは債権者と交渉の上、契約を変更してもらう必要があります。

また、主債務者に相続が発生し、その後新たに免責的債務引受契約を結んで特定の相続人のみが債務を引き継ぐ場合、保証人(物上保証人含む)の承諾が無ければ、保証契約は新契約に移行しません。

保証人が負うのはあくまで相続された(法定相続分に応じて各相続人が負担する)原契約に関する保証債務のため、保証契約移転についての保証人の書面による承諾(同意)が無ければ、保証契約は消滅します。

主債務者の相続人との関係等にもよりますが、債務引受契約に関する承諾を求められた場合は慎重に対応しましょう。

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借金等の有無を確認する方法

借入の有無はとてもデリケートな問題のため、家族であっても詳しくは知らないという方も多いと思います。

そもそも亡くなった方に借金等の債務があるかどうかわからない場合、どうやって債務の有無を確認すればいいのでしょうか?

債務の有無の調べ方としては主に下記のような方法があります。

1.自宅を調べて契約書や督促状などの資料を探す

2.親しかった親族や知人に聞いてみる

3.不動産の登記簿を確認する

4.信用情報機関へ情報開示請求を行う

特に契約書等の手がかりが何もない場合は、4の信用情報調査を行えば、債務のうち、いわゆる借金(貸付金)やクレジットカードの利用料金の有無についてはほぼ把握することができます。

個人からの借り入れや違法な金融業者(闇金)からの借入については信用情報調査では判明せず、保証債務についても判明しない場合もありますが、一般的な金銭債務についてはほぼ把握できるので、資料が無い場合はもちろん、資料がある場合も念のために調査しておくことをおすすめします。

信用情報の調査等故人の借金を調べる方法についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。

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債務を相続した場合の相続税の計算

相続税の計算の際、故人の債務についてはプラスの財産から差し引く(控除する)ことができます。

ほとんどの債務は控除の対象となりますが、中には控除の対象とならない債務もあります。

具体的には以下の通りです。

債務控除の対象となるもの

・アパートローン・住宅ローン(団信によって完済される場合除く)

・金融機関等の第三者からの借入金

・連帯債務(被相続人の負担部分のみ)

・敷金返還債務

・未払の医療費

・未払の公租公課(税金や社会保険料)

・未払の公共料金(故人の生存期間に係る分のみ)

・未払のクレジットカード利用料金(生前に使用した分のみ)

・特別寄与料

・葬儀費用(葬儀費用は故人の債務ではありませんが、相続税の計算上、債務控除が認められています。)

債務控除の対象とならないもの

・団信で完済となる住宅ローン

・家族・知人からの借入で返済を求めるつもりがないもの

・保証債務(主債務者が弁済不能状態にあるなど、保証債務の履行が確実な場合は控除の対象)

・墓地や仏壇などの非課税財産を購入した際の未払代金

・相続発生時点において確実と認められない債務(係争中の債務など)

債務控除の額が大きいほど相続税を節税できるので、領収書や請求書、明細書等の資料はすべて保管しておきましょう。

また、誤って対象でない債務を控除してしまうと、税務調査や追徴課税等の対象になる可能性があるので、申告の際は税理士に相談しましょう。

債務控除の対象となる債務・ならない債務についてくわしくはこちらの記事もご参照ください。

相続まるごとおまかせプランについてはこちら

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相続債務の承継手続きその他の死後手続き・相続手続きのつまずきポイント

ほとんどの人にとって死後手続き・相続手続きを行うのは初めての経験でしょうから、思わぬところでつまづいてしまうことがあります。そこでここでは、債務の承継手続きをはじめとする死後手続き・相続手続きを自分で行う場合につまずきやすいポイントについて解説します。ご自身で手続きを行うか悩まれている方は参考にされてください。

また、これを読んで自分には難しそうだな・・・と感じられた方はお早めに専門家に相談することをおすすめします。

死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについて

死後手続き・相続手続きを、ご自身で行う場合多くの方がつまずくポイントとしては、主に以下の4つが挙げられます。

1

相続財産の種類や数が多く、把握するだけでも時間がかかる。

亡くなった方が各地に不動産をお持ちだった場合や、株式や投資が趣味だった場合などは、財産の全容を把握するだけでもかなりの時間がかかります。

特に相続税申告が必要な場合は、すべての財産についてその有無や詳細を調査しなくてはなりませんが、普通の方が、様々な種類の財産について漏れのないよう効率よく調べるのは至難の業です。ようやく調査が終わったころには申告期限が過ぎてしまっていた…という事になってしまうかもしれません。

2

遺産分割協議などで相続人間の調整が大変。

相続手続きについては、遺言書がある場合を除いて、原則として相続人全員で手続きを行う必要があります。

相続人が複数いれば、多くの場合、遺産分割協議書を作成することになりますが、知識のない一般の方が自分たちだけで協議を進めようとすると、分け方などをめぐって意見が一致しない場合に、手続きが止まってしまったり、最悪の場合、不信感から争いに発展してしまう事さえあります。

3

相続人間での書類のやり取りや、手続きの説明に手間がかかる。

財産の分け方については争いが無い場合でも、手続きに必要な書類の手配や他の相続人への説明がネックになる場合もあります。

特に相続人が離れて暮らしている場合は、手続きのために郵送等で必要書類のやり取りを行わなければならず、書類の書き方や郵送方法等の説明、さらには不備があった場合の訂正など、思った以上に手間がかかり、負担になることも多いです。

4

どの手続きのことをどの専門家に相談していいのかわからない。

自分では難しいので専門家に相談しようとしたところ、一体誰に相談すればいいのかわからなかった、という声をお客様からよく聞ききます。

確かに相続税の事は税理士、登記の事は司法書士、というのはイメージできても、預貯金や有価証券の名義変更や解約手続き、その他の雑多な手続き、遺産分割についての法的な問題などは誰に相談すればよくわからないという方や、

こんなこと初歩的なことを聞いたら怒られるんじゃないかと遠慮してしまい、せっかく相談したのに聞きたいことがあまり聞けなかった、という方は意外にも多くいらっしゃいます。

また、餅は餅屋と思うあまり、相続税と相続手続きをそれぞれ別の所に相談してしまったために、同じ説明を何度もする羽目になってしまった上、専門家同士の連携がうまくいかず混乱してしまったという失敗も聞くことがあります。

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死後手続き・相続手続きの代行を当事務所に依頼した場合

相続債務の承継手続きをはじめとする死後手続き・相続手続きについては、上記のようなつまずきポイントがあるため、ご自身で行おうとしたものの、やっぱり専門家に依頼することにした、という方も多いです。

当事務所では、面倒な相続手続きをまるごとおまかせできる「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続代行サービスを提供しているので、債務の承継手続きを含む死後手続き・相続手続き全般について代行・サポートが可能です。

債務の承継手続きを含む死後手続き・相続手続きを、当事務所にご依頼いただいた場合の主なメリットは以下のとおりです。

メリット1

死後に必要な100種類以上の手続きについて正確に把握しているため、お客様にどの手続きが必要かをご案内することが可能です。お客様の方でどのような手続きが必要かを一つずつ確認する必要はありません。

メリット2

相続財産の種類や数が多い場合も、最大限効率よく調査を行うので、その後の遺産分割協議や相続税申告に余裕をもって対応することができます。

メリット3

手続きの数が多い場合は、法務局で「法定相続情報一覧図」を取得するなどして、最小限のコストで効率よく手続きを行うため、戸籍等の原本還付待ちによる時間のロスや、戸籍等を多く取得しすぎたことによる無駄なコストが発生することはありません。

メリット4

公平な立場から、適切な遺産分割についてのアドバイス・サポートを行うので、わだかまりを残すことなく、円満な相続が実現できます。

メリット5

各相続人への連絡・説明や、必要書類の郵送手配なども当事務所が代行するため特定の方に負担が偏ることはありません。

メリット6

相続税の申告や、遺産分割等で税務面でのアドバイスが必要な場合は、協力先の相続に強い税理士と連携して手続きを行うので、お客様の方で別に税理士を探す必要はありません。

メリット7

他の専門家と協力して進める場合、情報の共有や連携はデジタルツール等を利用してしっかりと行うので、お客様の方で何度も同じ説明・やり取りをする必要はありません。

メリット8

手続きの進捗については、定期的に報告させていただきますので、安心してお仕事や家事育児等に専念できます。

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相続債務の承継手続きについてのよくある質問

ここからは相続債務の承継手続きを含む死後手続き・相続手続きのご相談の際によく受ける質問を、Q&A形式で解説します。

債権者から一括返済を求められた場合はどうすればいい?

延滞等の事情が無ければ応じる義務はありません。また、延滞等がある場合も返済の意思がある事を伝えれば、分割返済に応じてくれる可能性があります。

債務者に相続が発生した場合、相続人は債務者の地位をそのまま引き継ぐのが原則です。

債権者によっては未回収になることを防ぐために、契約条件に分割返済が定められているにも関わらず、一括返済を求めてくるケースもあるようですが、相続人がこれに応じる義務はありません。相続人は従前の契約条件に基づき自分の負担分を返済すれば大丈夫です。

ただし、長期間にわたり返済を遅延していた等、生前に故人に契約違反があった場合は、そのことを理由として一括返済を求められる可能性はあります。(返済義務があるのは自分の負担分のみです。)

その場合でも、返済の意思がある事を伝えれば分割返済に応じてくれる可能性はあるので、債権者に相談してみましょう。

債務の有無や金額の確認のために債権者に連絡する際に気を付けることはある?

相続放棄を検討している場合は、支払いの約束をしたり、実際に支払ったりしないよう気を付けましょう。

債務を相続するか放棄するかの判断のために正確な債務の額を知りたいという事で、各債権者に連絡を取る場合は、支払いの約束をしないよう注意しましょう。

支払いの約束をしてしまうと、後で債務の時効が成立していたことが分かった場合にそのことを主張できなくなります。時効を援用すれば相続放棄せずに済むケースもあるので、気を付けましょう。

また、相続放棄する前に自分の財産から債務を支払った場合、非債弁済(支払う義務がないとわかりながら行った支払い)にあたる可能性があり、すでに支払った分を後から取り戻すことは難しくなります。なお、被相続人の財産から支払いをしてしまうと相続放棄はできなくなります。

相続放棄を検討している場合は、債務の調査中である事を伝え、調査が終わったら連絡しますと答えるにとどめておくべきでしょう。

免責的債務引受契約を承諾する条件として、金融機関から連帯保証人になることを求められたが、応じても問題ない?

連帯保証人は債務者と同等の責任を負うので、慎重に判断しましょう。 

特定の相続人のみを債務者とする免責的債務引受を金融機関に承諾してもらう際に、承諾の条件として他の相続人が連帯保証人になることを求められることがあります。

自身が債務者となるのに比べると、連帯保証人の方が責任が軽減される気がするので安易に応じてしまう方も多いのですが、実際には、主債務者の返済が滞った場合は「債務全額について」直接の責任を負うことになります。

保証の範囲を自分の相続分に限るという契約だったとしても、責任という点では主債務者並みの負担を負うという事に変わりはありません。

債務を承継する方に十分な資力があり、信頼関係も築けているケースもあるでしょうから、一概に拒否すべきとは言えませんが、連帯保証人になるという事は、債務者と同等の責任を負うことを意味するという事実は頭に入れておきましょう。

相続債務の承継手続き以外に死後に必要な手続きはどんなものがある?

預貯金の解約や不動産の名義変更など100種類以上もの手続きがあります。

身近な人が亡くなった後は、債務の承継手続き以外にもたくさんの手続きが必要になります。その数は細かいものまで含めると100種類以上にも及び、それぞれに問い合わせ先、必要書類、手続きの期限などが異なります。すべての方が100種類の手続きが必要になるわけではないですが、普通の方でも数十種類の手続きは必要になるでしょう。

代表的な手続きとしては以下のようなものがあります。

  • 死亡届
  • 火葬(埋葬)許可申請書の提出
  • 運転免許証・パスポートの返還
  • 公共料金の名義変更・支払い方法変更
  • 携帯電話の解約
  • 葬祭費・埋葬料の請求手続き
  • 未支給年金・遺族年金・寡婦年金・死亡一時金の受給手続き
  • 生命保険金の請求手続き
  • 相続放棄
  • 相続人の調査(戸籍収集)
  • 相続財産の調査
  • 財産目録の作成
  • 遺産分割協議(遺産分割協議書の作成)
  • 預貯金の名義変更・解約払い戻し手続き
  • 株式など有価証券類の名義変更・解約手続き
  • 不動産の名義変更手続き(相続登記)
  • 所得税の準確定申告
  • 相続税の申告
  • そのほか100種類以上の手続き

これらの中には期限が決まっているものもあり、手続きをしないことによって相続人の方が大きな不利益を被る可能性があるものもあります。

下記リンク先の記事で亡くなった後に必要な120の手続きリストを公開しておりますので、自分に必要な手続きをチェックして、期限までに忘れることなく手続きを終わらせましょう。

身近な人が亡くなった後に必要な120の手続きリストはこちら

そんなにたくさんの手続きを自分で行うのは面倒・・・誰かにおまかせできる?

当事務所の「相続まるごとおまかせプラン」では、死後に必要なあらゆる手続きをおまかせいただけます。

死亡後の手続きは多種多様であり、慣れない方には骨の折れる作業も多いです。

特に官公署や金融機関の遺産相続手続きでは、揃えるべき書類や申請書類の書き方についても厳格に決められているので大変な思いをすることも少なくありません。

ただでさえ面倒な手続きを仕事や家事育児の合間を縫って行うのは難しい、誰かに任せられるなら任せたいと考える方も多いと思います。

当事務所では100種類以上の手続きについてサポート可能な『相続まるごとおまかせプラン』をはじめ、面倒な相続手続きをおまかせできる様々なプランを用意しています。ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

当事務所の『相続まるごとおまかせプラン』は遺産相続手続きなどの専門的手続きはもちろんその他の100種類以上の手続きについてもサポートいたします!

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相続債務の承継手続きで困ったら専門家に相談しましょう!

亡くなった方に借入金等の債務があり、それが高額な場合、相続放棄を含めて慎重に対応を検討する必要があります。

相続放棄せずに引き継ぐ場合でも、誰が引き継ぐか、その分を遺産分割協議でどのように調整するかなど検討すべきことはたくさんあります。債務の相続は、法律問題や手続き上の問題などがいくつも絡むため複雑になりやすく、相続人だけで判断するのは危険なケースもあります。

第三者の客観的な意見を聞くことでスムーズに解決することもあるので、債務の相続でお困りの方は、お早めに相続手続き全般に精通した専門家に相談することをおすすめします。

相続債務の承継手続きを含む死後に必要な手続きについてのご相談は当事務所で承ります。ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
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