死亡後の株式等の調査方法【ほふり調査について公式HPより詳しく解説!】
故人の株式はどうやって調べる?
亡くなった方が株式や投資信託等の有価証券をお持ちだったと思われるものの、どこの証券会社に口座をお持ちかわからない場合、保有している株式等についての調査が必要になります。
知っていると楽!ほふりって何?
ここでは、株式等の調査方法、特に上場株式・投資信託口座について一括管理している「ほふり(証券保管期間振替機構)」の調査方法について、公式ホームページより詳しく解説します。
また、ほふり調査をはじめとする死後手続き・相続手続きの注意すべきポイントについても解説します。
ほふり調査等の死後手続き・相続手続きに関する無料相談実施中!
ほふりの調査をはじめとして、お客様にどのような手続きが必要なのかをご案内させていただくため、当事務所では無料相談を行っています。
当事務所では、身近な人が亡くなった後に必要な死後手続き・相続手続きに関して、数多くのご相談とご依頼を受けています。
このような豊富な相談経験を活かし、お客様に必要な手続きと最適なサポートを提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
お電話でのお問合せはこちら(通話料無料)
0120-546-069
死亡後に必要な株式等の調査とは
亡くなった方が株式や投資信託等をお持ちであれば、故人名義の口座がある証券会社(上場株式等の場合)や株式発行会社(非上場株式の場合)に連絡を取ることになります。
しかし、上場株式の場合、どこの証券会社に口座を持っているか不明な場合があります。
また、証券会社がわかっている場合でも、他に把握していない証券会社口座があったり、証券会社ではなく信託銀行に特別口座があったりすることもあるので、財産の漏れが無いか念のために調査をしておくべきです。
株式等の有価証券は特に調査漏れしやすい財産ですが、後から把握していない財産が出てくると、遺産分割協議をやり直すことになったり、相続税の追徴課税を受けたりすることもあるので、きちんと調査しておくことが大切です。
以下では、上場株式等の調査方法(証券会社がわかっている場合・証券会社がわからない場合)、非上場株式の調査方法についてくわしく解説します。
上場株式等の調査方法(証券会社がわかっている場合)
上場株式や投資信託等は、証券会社(野村證券や大和証券など)の口座で管理されていることがほとんどです。
証券会社は少なくとも年に1回年間取引報告書を郵送してくるので(ネット証券等で電子交付にしている場合除く)、それを見ればどの証券会社に口座をお持ちかはわかります。
また、年間取引報告書が見つからなくても、証券会社から送られてくる他の書類(運用報告書、目論見書、新商品の案内など)や、預金通帳の入出金の記録などから判明することもあります。
どの証券会社かわかったら、書類等に記載されている問い合わせ先に連絡をして、口座名義人が亡くなったことと、相続の手続き及び残高証明書の発行に必要な書類を送ってもらいましょう。
書類が届いたら、同封の案内に従い戸籍謄本や遺産分割協議書等の必要書類を準備し、残高証明書の請求や相続手続きを行うという流れになります。
上場株式等の調査方法(証券会社がわからない場合)
・亡くなった方がどの証券会社に口座をお持ちかわからない場合
・把握している以外の口座が無いか念のため確認したい場合
上記のようなケースでは、上場株式等の振替を一括管理している証券保管振替機構(通称ほふり)に登録済加入者情報の開示請求を行う事で、どの証券会社等に口座をお持ちか調べることができます。
以下ではほふりの調査方法についてくわしく解説します。
ほふり(証券保管振替機構)の調査方法・必要書類・手続きの注意点について
株式会社証券保管振替機構は、通称ほふりと呼ばれ、上場会社の株式や投資信託の受益証券等に係る株券・証券等のペーパーレス化に伴い、電子化された証券の振替等を行うことを目的として設立された機関であり、日本で唯一の保管振替機関となっています。
2009年の株券電子化以降は、日本国内における上場株式等の振替(売買等による権利の移転、発生、消滅)は、すべてほふりによって管理されています。
生前、株式を持っていた気がするが、どこの証券会社に株式があるのか分からない、郵送物等も見つからないという場合は、ほふりに登録済加入者情報の開示請求を行う事で、故人が持っていた株式を調べることができます。
ほふり調査の流れ
ほふりでは、相続人からの請求によって、亡くなった方の株式等に係る口座の開設先の確認(登録済加入者情報の開示請求)を行うことができます。
手続きの流れは、おおむね以下の通りです。
※クリックするとそれぞれの手順についての詳しい記述に移動します。
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開示請求の手続きは、郵送のみ受け付けています。窓口による受付は行っていないので気を付けましょう。
また、口座の有無や開示結果について、電話による回答は行っていません。
以下、それぞれの手順についてくわしく解説します。
Step1
戸籍等の必要書類を準備する。
ほふり調査に必要な書類は、故人との関係によって多少異なりますが、おおむね下記の通りです。
【1】開示請求書
下記のほふりホームページからダウンロードできます。
≫開示請求書(PDFダウンロード)|株式会社証券保管振替機構
【2】請求者の本人確認書類(身分証明書のコピー)
運転免許証、各種健康保険証、マイナンバーカード、各種年金手帳、パスポート(顔写真ページ及び所持人欄ページ)など
- 上記の他、住民票や印鑑証明書の原本(発行から6か月以内のもの)でも大丈夫です。
- コピーは、氏名、住所、生年月日及び有効期限の記載されている箇所を写してください。
- 保険者番号及び被保険者等記号・番号、個人番号又は基礎年金番号は、該当箇所を見えないように黒く塗りつぶしてご提出ください。
【3】被相続人(調査対象者)と相続人(請求者)の関係を証明する書類(法定相続情報一覧図又は戸籍謄本等のコピー)
法定相続情報一覧図がある場合は法務局から発行された原本を提出すれば戸籍謄本等の提出は不要です。
法定相続情報一覧図が無い場合は、相続関係によって以下の戸籍謄本等の提出が必要になります。
なお、戸籍謄本等は原本ではなくすべてコピーの提出で大丈夫です。
間違って原本を提出しても返却されないのでご注意ください。
被相続人と相続人の関係 | 書類の種類 |
---|---|
A. 相続人が被相続人の配偶者又は子 | ①被相続人の死亡日の記載のある戸籍(除籍)謄本 ②相続人の現在の戸籍謄本又は抄本(被相続人の死亡日以降に発行されたもの) ※被相続人と相続人が同一戸籍の場合は①②は同じ書類なので1通のみの提出で足ります。 |
B.相続人が被相続人の親(直系尊属)※直系尊属とは父母や祖父母のことです。 | ①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本 ②相続人の現在の戸籍謄本又は抄本(被相続人の死亡日以降に発行されたもの) ※被相続人と相続人が同一戸籍の場合は②は不要。 |
C.相続人が被相続人の兄弟姉妹 | ①被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本 ②相続人の現在の戸籍謄本又は抄本(被相続人の死亡日以降に発行されたもの) ③被相続人の親(直系尊属)の死亡日の記載のある戸籍(除籍)謄本 ※被相続人と相続人が同一戸籍の場合は②は不要。 |
D.相続人が被相続人の孫(代襲相続) | ①上記Aの書類すべて ②被相続人の子(相続人の親)の死亡日の記載のある戸籍(除籍)謄本 |
E.相続人が被相続人の甥又は姪(代襲相続) | ①上記Cの書類すべて ②被相続人の兄弟姉妹(相続人の親)の死亡日の記載のある戸籍(除籍)謄本 |
【4】被相続人の住所の確認書類(コピー)
運転免許証などの本人確認書類(上記「2.請求者の本人確認書類」と同様のもの)、住民票の除票、戸籍の附票、株主(被相続人)宛の株式関係書類(議決権行使書、配当金計算書等)など
法定相続情報一覧図に被相続人の住所の記載がある場合は、住所確認書類として利用することができます。
なお、被相続人の住所の確認書類については有効期限が切れたものでも大丈夫です。
基本的なケースの提出書類は上記のとおりです。
このほか、以下のようなケースでは追加で書類が必要な場合があります。
■遺言執行者による請求の場合
遺言書等
■代理人による請求の場合
委任状、印鑑証明書等
■相続放棄した人がいる場合
先順位の相続人が相続放棄したことの証明書(相続放棄申述受理証明書など)等
なお、2023年2月以降、ほふりへの提出書類は開示請求書を除いてすべてコピーでの提出となりました。(原本での提出は不可)
間違って原本を提出しても返却されないのでご注意ください。
※ 開示請求書とともにご提出いただく確認書類はすべてコピーとし、原本での提出は不可といたします。
(原本をご提出いただいても返却しませんので必ずコピーでご提出ください。)
また、ご提出いただいた一切の書類は万が一の郵便事故等による個人情報の漏えいを防ぐため返却し ません。
なお、受領したすべての書類は当社にて一定期間保管の上、破棄いたします。
詳しくは上記リンク先のほふりホームページにてご確認ください。
※リンク先の「1.必要書類」のところからケースごとの必要書類のページに飛ぶことができます。
なお、上記リンク先では、相続人が被相続人の甥又は姪(代襲相続)の場合の必要書類として、「被相続人の兄弟姉妹(相続人の親)の死亡日の記載のある除籍謄本又は親が相続放棄した旨の証明書」と記載がありますが、相続人である兄弟姉妹が相続放棄しても、その子供(被相続人の甥姪)は代襲相続人にはなりませんのでご注意ください。
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Step2
ほふりHPより開示請求書をダウンロードし、必要事項を記入の上、戸籍等と一緒に郵送する。
必要書類|証券保管振替機構よりダウンロードした開示請求書に、記載例を参考に必要事項を入力(記入)します。
開示請求書は、PDFに直接入力して、印刷・押印したものを提出するのが簡単ですが、PDFファイルを印刷後に必要事項を手書きで記入・押印したものを提出しても大丈夫です。
記入の際は以下の事に気を付けてください。
- 調べたい住所が複数ある場合は、すべての住所を記載してください。また、すべての住所についての確認書類を提出してください。
- 現姓・旧姓両方で請求する場合は姓ごとに1枚ご記入ください。
参考までに記載例を掲載しておきます。
(登録済加入者情報の開示請求|証券保管振替機構より引用)
クリックすると拡大します
記入・押印した開示請求書を、戸籍謄本等の必要書類と一緒に下記の宛先に郵送します。
〒103-0025
日本橋茅場町郵便局留
東京都中央区日本橋茅場町2-1-1
株式会社証券保管振替機構 開示請求事務センター
※「日本橋茅場町郵便局留」とご記載ください。
郵送方法の指定はありませんが、戸籍等の重要書類を送付するので、万が一を考えて書留郵便やレターパックなどの配達記録が残る方法で送ることをおすすめします。
なお、返信用封筒の同封は不要です。
Step3
開示結果が代金引換郵便で届くので、代金を支払い、受け取る。
書類に不備が無ければ、郵送から2~3週間ほどで開示結果が代金引換、簡易書留で郵送されてきます。(時期によってはさらに時間がかかる場合もあります。)
郵便局職員に所定の費用を支払い、開示結果をお受け取りください。
郵便局の保管期間内に受け取ることができず、送付元に返送された場合でも、原則として再送はしてくれないため、必ず受け取りましょう。
なお、ほふりでは、株式等の保有状況や相続手続きについての問い合わせには回答できません。
調査の結果、把握している以外の証券会社等の口座が判明した場合は、各証券会社等にお問い合わせください。
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ほふり調査ができる方
亡くなった方の法定相続人または遺言執行者
法定相続人の法定代理人(親権者、後見人、破産管財人など)や、法定相続人から委任を受けた任意代理人による請求も可能です。
ほふり調査にかかる手数料
請求1件につき6,050円(税込)
※旧姓・旧住所について調査する場合は、氏名及び住所の組合せごとに1件と数え、2件目以降は、1件あたり1,100円(税込)が加算されます。
(例)現姓・現住所、旧姓・現住所、で請求する場合 … 2件 7,150円(税込)
現姓で現住所、旧住所2件、で請求する場合 … 3件 8,250円(税込)
※調査の結果、該当がない場合でも開示費用はかかります。
※戸籍の代わりに法定相続情報一覧図を提出する場合、請求1件につき1,100円が割引になります。
ちなみに・・・
以前(2019年10月の消費税増税前)の開示費用は請求1件につき2,000円+税、加算が1件につき1,500円+税だったので、大幅に値上がりしました。
金融機関での預金残高証明書の発行手数料等と比べるとかなり高額で、値上げ以降、ほふり調査を提案しても、費用を理由に忌避する方が増えた印象があります。
手続きの手間を考えると仕方がないのかもしれませんが、法定相続情報一覧図を提出した場合の値引き額の増額などがあればいいのに…と個人的には思います。
開示結果の見方
ほふりからは、開示結果として「該当する株主情報の有無」と「登録済加入者情報通知書」の2枚が届きます。
※調査の結果によっては1枚しか届かない場合もあります。
以下、それぞれの見本を例に、開示結果の見方を解説します。
■「該当する株主情報の有無」の見方
クリックすると拡大します
上記の見本を見てわかると思いますが、こちらはほふりに提出した開示請求書の2枚目に、該当する情報の有無が記載されたものです。
確認するところは、「8.株主(被相続人)の住所」の右側にある「機構使用欄」という部分です。
ここの「該当有」に○が付いていれば、その住所で登録されている口座が少なくとも一つはあるという事です。
逆に「該当無」に○が付いている場合は、その住所で登録されている口座は一つもないという事です。
すべて該当無となっている場合は、ほふりに登録されている口座は一つもないという事です。
この場合は、開示結果は1枚のみで、次の「登録済加入者情報通知書」は送付されてきません。
■「登録済加入者情報通知書」の見方
クリックすると拡大します
被相続人の氏名・住所に該当する口座が一つでもある場合は、上のような「登録済加入者情報通知書」が届きます。
通知書の見方ですが、「口座を開設している口座管理機関の名称」という部分に注目してください。
ここには亡くなった方が口座をお持ちの「証券会社」又は「株主名簿管理人」が記載されています。
ここに証券会社(野村證券、大和証券、楽天証券など)の名前が記載されている場合は、その証券会社に連絡を取ることになります。
一方ここに信託銀行等の名前が記載されている場合は、証券会社の口座ではなく「株主名簿管理人」の「特別口座」で管理されている株式があるという事です。
この場合は次の項で説明する株主名簿管理人に連絡を取り、調査や相続手続きを行うことになります。
開示結果が出たら各証券会社等に連絡を
ほふりでは、開示結果に記載されている証券会社の連絡先や、株式の銘柄や保有数、相続手続き方法ついての問い合わせには回答してくれません。
調査の結果、証券会社の口座があることが判明した場合は、各証券会社の相続問い合わせ窓口等に連絡をして、相続手続きや残高証明書の請求に必要な書類を送ってもらいましょう。
また、下記の信託銀行等の名前が記載されていた場合は、株主名簿管理人が管理している「特別口座」があるという事なので、下記の問い合わせ先に直接問い合わせましょう。
株主名簿管理人は証券会社の口座(一般口座)についても管理業務を行っているので、問い合わせの際は、「御社の『特別口座』で管理している株式の相続について」の問い合わせである事を伝えましょう。
また、登録済加入者情報通知書に記載されている「加入者口座コード」を聞かれることがあるので、手元に準備しておきましょう。
日本国内の上場株式の株主名簿管理人6社の問い合わせ先は以下の通りです。
■東京証券代行株式会社
0120-49-7009(受付時間:平日9:00~17:00)
※上記電話番号が利用できない場合は、03-6833-3907におかけ下さい。
なお、東京証券代行では、郵送での手続きの他、三井住友信託銀行の本支店(一部店舗除く)の窓口での手続き(取次)にも対応しています。
三井住友信託銀行の店舗はこちらから検索できます。
■日本証券代行株式会社
0120-707-843(受付時間:平日9:00~17:00 ※土・日・祝日・年末年始を除く)
なお、日本証券代行では、郵送での手続きの他、本支店の窓口や、三井住友信託銀行の本支店(一部店舗除く)の窓口での手続き(取次)にも対応しています。
日本証券代行の店舗はこちら
三井住友信託銀行の店舗はこちらから検索できます。
■三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
下記問い合わせ先は預金等の相続の問い合わせ先とは異なりますのでご注意ください。
0120-232-711(東京)
0120-094-777(大阪)
(受付時間:土・日・祝日等を除く平日9:00~17:00)
※上記電話番号をご利用いただけない場合は、042-204-0303(通話料有料)
なお、三菱UFJ信託銀行では、郵送での手続きの他、本支店(一部店舗除く)の窓口での手続き(証券代行部への取次)にも対応しています。
三菱UFJ信託銀行の店舗はこちらから検索できます。
■みずほ信託銀行 証券代行部
下記問い合わせ先は預金等の相続の問い合わせ先とは異なりますのでご注意ください。
0120-288-324(受付時間 土・日・祝祭日を除く9:00~17:00)
なお、みずほ信託銀行では、郵送での手続きの他、みずほ信託銀行の国内本支店(一部店舗除く)及びみずほ証券の国内本支店の窓口での手続き(証券代行部への取次)にも対応しています。(みずほ銀行の本支店では手続きできませんのでご注意ください。)
みずほ信託銀行の店舗はこちらから検索できます。
みずほ証券の店舗はこちらから検索できます。
■三井住友信託銀行 証券代行部
下記問い合わせ先は預金等の相続の問い合わせ先とは異なりますのでご注意ください。
0120-782-031(受付時間:土・日・祝祭日を除く9:00~17:00)
なお、三井住友信託銀行では、郵送での手続きの他、本支店(一部店舗除く)の窓口での手続き(証券代行部への取次)にも対応しています。
三井住友信託銀行の店舗はこちらから検索できます。
■株式会社アイ・アールジャパン
0120-975-960(受付時間:平日9:00~17:00)
≫証券代行業務|証券代行事業|株式会社アイ・アール ジャパン
株式の相続手続きの流れや注意点などについてくわしくはこちら
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
ほふり調査が必要な理由・単元未満株(端株)の存在
ほふり調査は手数料がかかることもあり、取引報告書等で、故人がどこの証券会社に口座を持っていたか明らかな場合は、「調査は不要でしょう?」と考える方も多いです。
しかし、そのようなご質問を受けた場合、私は、「少なくとも亡くなった時点で一つでも証券口座をお持ちの場合は、念のため調査しておくべきです。」と答えます。
理由は、「単元未満株」の存在です。
単元未満株とは、銘柄ごとに決められている最低売買単位(現在、上場会社は100株)に満たない株式のことです。
株式分割や株式併合、1単元の変更などが行われることで発生します。
ほとんどの会社では単元未満株については株券を発行していなかったため、2009年1月5日の株券電子化までにほふりに預託されず、信託銀行等が開設した「特別口座」で管理されていることが多いのです。
※特別口座・・・ほふりに株券が預託されなかった株式(いわゆるタンス株)を管理するために株主名簿管理人が開設した専用の口座
そして、単元未満株には議決権がないため、株主総会の招集通知が送られて来ず、その存在に気が付かないケースがよくあります。
したがって、2009年より前から株式をお持ちの方は、証券会社口座(一般口座)で保有している株式以外にも、実は単元未満株を特別口座で保有していたことが、ほふり調査によってはじめて発覚するケースが少なくないのです。
単元未満であっても、株式は株式なので、相続財産として遺産分割や相続税課税の対象になります。
特に相続税申告が必要な方は、財産の記載漏れがあると税務署から目を付けられる原因となるため、ほふり調査を行い、単元未満株がないか確認しておいた方が安心です。
※特別口座で管理されている株式=単元未満株というわけではありません。1単元以上の株式数がある場合も、株券電子化までにほふりに株券が預託されなかった株式は特別口座で管理されています。
なお、単元未満株と同じような使い方をされる言葉として「端株(端数株式)」があります。
単元未満株と端株は、法律上は別物であり、株券の電子化以降、上場株式については正式な意味での端株は存在しないのですが、以前の端株制度と単元株制度はよく似ていて、言葉のニュアンスも近いため、両者を区別せず使っているケースも見受けられます。
相続税申告の相談等で、税理士などから「端株が~」と言われたら、単元未満株の事だと考えていいでしょう。
※ただし非上場株式については今でも正式な意味での端株が存在しています。
単元未満株(端株)についてくわしくはこちらの記事をご参照ください。
何回も引っ越ししている場合は全ての住所を調べるべき?
故人が生前、名字や住所を変更したにも関わらず、そのことを証券会社等に届け出ていないケースがあります。
この場合、ほふりに登録されている口座名義人情報は旧姓や旧住所のままなので、現姓・現住所のみ調査しても「該当無」という結果になります。
特に高齢者の場合、株式を持っていること自体忘れてしまっていることもあるため、念のため旧姓・旧住所でも該当が無いか調査しておいた方が確実ではあります。
ただ、ほふりでは、旧姓・旧住所について調査する場合は、氏名及び住所の組合せごとに1件と数え、2件目以降は、1件あたり1,100円(税込)が加算されます。
何度も引っ越しをされている場合に、すべての住所を調べるとなると費用がかなり高額になるので、どこまでさかのぼって調べるべきかは悩ましいところです。
当事務所はこれまでかなりの数のお客様のほふり調査を行ってきましたが、正直言って、現姓・現住所以外で該当が有るケースはほとんどありません。
おそらくほとんどの方が、引っ越し等で住所が変わった際にはきちんと届けているのでしょう。
しかしそうは言っても確実に無いとは言い切れないので、亡くなられたのが高齢の方で、亡くなる前20年以内に名字や住所を変更されている場合は、少なくとも一つ前の旧姓・旧住所については調べておくことをおすすめします。
また、最後の(住民票上の)住所が老人ホームや介護施設だった場合は、登録情報は自宅のまま変更されていないことがむしろ多いので、前住所についても必ず調査しましょう。
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
非上場株式等の調査方法
ここまでほふり踏査を中心に上場株式等の踏査方法について解説してきましたが、非上場株式については、ほふり調査によっては判明しません。
非上場株式や、ほふりで取り扱いのない債券、投資信託等を調査する方法ですが、基本的に資料を基に発行会社や取扱会社に問い合わせる以外にありません。
株券や株主総会の招集通知の他、配当金の支払通知書等の発行会社から届く郵便物があればかなり可能性は高いでしょう。
また、通帳の入出金記録や、確定申告書の控えから判明することもあります。
非上場株式の相続手続きは、上場株式と異なり、各会社で対応がかなり異なるので、それらしき資料が見つかったら、ホームページ等で連絡先を調べ、直接確認しましょう。
なお、非上場会社でも、信託銀行等を株主名簿管理人として置いている場合もあります。
会社からの郵送物やホームページに株主名簿管理人が記載されていることもあるので、その場合は株主名簿管理人に問い合わせた方がスムーズに行くでしょう。
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ほふり調査その他の死後手続き・相続手続きのつまずきポイント
ほとんどの人にとって死後手続き・相続手続きを行うのは初めての経験でしょうから、思わぬところでつまずいてしまうことがあります。
そこでここでは、ほふり調査をはじめとする死後手続き・相続手続きを自分で行う場合につまずきやすいポイントについて解説します。
ご自身で手続きを行うか悩まれている方は参考にされてください。
また、これを読んで自分には難しそうだな・・・と感じられた方はお早めに専門家に相談することをおすすめします。
死後手続き・相続手続きのつまずきポイントについて
死後手続き・相続手続きを、ご自身で行う場合多くの方がつまずくポイントとしては、主に以下の5つが挙げられます。
1
平日に役所や金融機関に行く時間が取れない。
死後手続き・相続手続きを自分で行う場合、戸籍等の請求や手続きに必要な書類の提出のために役所や金融機関、法務局などに足を運ぶ必要があります。
役所や法務局の窓口は17時過ぎには閉まってしまいますし、金融機関の窓口は、ほとんどの場合15時で閉まってしまいます。
金融機関の中には14時までに受付をしないと駄目、というところもあります。
仕事や家事育児などで忙しい中、わざわざ時間を作って出向くのは厳しい…という方も多いのではないでしょうか。
2
相続関係が複雑、相続人の人数が多い等の事情があり、戸籍謄本を集めるのに手間がかかる。
兄弟姉妹が相続人になるケースなどでは、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍等に加え、両親の出生から死亡までの戸籍などが必要になります。
相続関係が複雑になればなるほど、また、相続人の人数が多いほど、手続きに必要な戸籍の数は増え、集めるのに手間と時間がかかります。
古い戸籍は手書きのため解読が難しく、ただでさえ収集に手間がかかるのに、集めるべき戸籍が多すぎて、どこまで集めればいいかわからなくなってしまい、途中で断念したという方も珍しくありません。
ほふり調査でも亡くなった方との関係を証明する戸籍が必要になりますが、戸籍収集は相続手続きの中でもつまずきやすいポイントの一つです。
3
相続財産の種類や数が多く、把握するだけでも時間がかかる。
亡くなった方が各地に不動産をお持ちだった場合や、株式や投資が趣味だった場合などは、財産の全容を把握するだけでもかなりの時間がかかります。
特に相続税申告が必要な場合は、すべての財産についてその有無や詳細を調査しなくてはなりませんが、普通の方が、様々な種類の財産について漏れのないよう効率よく調べるのは至難の業です。
ようやく調査が終わったころには申告期限が過ぎてしまっていた…という事になってしまうかもしれません。
4
相続手続きや死後手続きについて相談できる人がいない。相談しても見当違いのことを言われてしまう。
相続は財産にかかわるデリケートな問題のため、わからないことがあってもなかなか他人には相談しづらいものです。
特に相続人が一人しかいない場合や、動けるのが自分一人しかいない場合は他に頼れる人もいないため、不安になることも多いでしょう。
また、相談できる方がいたとしても、相続をめぐる事情は人によって千差万別なため、自分の経験が他人には全く当てはまらないという事はよくあります。
そのため、相談をしても見当違いのアドバイスをされてしまったり、複数の人から正反対の事を言われたために余計に混乱してしまったという話もよく聞きます。
5
どの手続きのことをどの専門家に相談していいのかわからない。
自分では難しいので専門家に相談しようとしたところ、一体誰に相談すればいいのかわからなかった、という声をお客様からよく聞ききます。
確かに相続税の事は税理士、登記の事は司法書士、というのはイメージできても、預貯金や有価証券の名義変更や解約手続き、その他の雑多な手続き、遺産分割についての法的な問題などは誰に相談すればよくわからないという方や、
こんなこと初歩的なことを聞いたら怒られるんじゃないかと遠慮してしまい、せっかく相談したのに聞きたいことがあまり聞けなかった、という方は意外にも多くいらっしゃいます。
また、餅は餅屋と思うあまり、相続税と相続手続きをそれぞれ別の所に相談してしまったために、同じ説明を何度もする羽目になってしまった上、専門家同士の連携がうまくいかず混乱してしまったという失敗も聞くことがあります。
死後手続き・相続手続き代行についてくわしくはこちら
死後手続き・相続手続きの代行を当事務所に依頼した場合
ほふり調査をはじめとする死後手続き・相続手続きについては、上記のようなつまずきポイントがあるため、ご自身で行おうとしたものの、やっぱり専門家に依頼することにした、という方も多いです。
当事務所では、面倒な相続手続きをまるごとおまかせできる「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとした相続代行サービスを提供しているので、ほふり調査を含む死後手続き・相続手続き全般について代行・サポートが可能です。
ほふり調査を含む死後手続き・相続手続きを、当事務所にご依頼いただいた場合の主なメリットは以下のとおりです。
メリット1
死後に必要な100種類以上の手続きについて正確に把握しているため、お客様にどの手続きが必要かをご案内することが可能です。お客様の方でどのような手続きが必要かを一つずつ確認する必要はありません。
メリット2
役所や金融機関、法務局とのやり取りは基本的に当事務所が行うため、お客様が連絡をしたり、窓口に行ったりする必要はありません。
メリット3
相続を専門とする事務所のため、戸籍の収集作業に長けており、相続関係が複雑でも、迅速に戸籍収集を完了させることが可能です。
メリット4
相続財産の種類や数が多い場合も、最大限効率よく調査を行うので、その後の産分割協議や相続税申告に余裕をもって対応することができます。
メリット5
年間100件以上の相続案件を担当する相続に精通した国家資格者が在籍しているため、疑問や不明点にすぐにお答えすることができます。
メリット6
法律的・専門的な事柄はもちろん、手続きについての細かい疑問、雑多な質問、初歩的な質問についても、親切丁寧にお答えいたしますので、気兼ねなく相談していただくことができます。
メリット7
税理士や弁護士、不動産業者など他の専門家の関与が必要な場合も、当事務所の豊富なネットワークからご紹介が可能なため、別々に相談する必要はありません。
メリット8
他の専門家と協力して進める場合、情報の共有や連携はデジタルツール等を利用してしっかりと行うので、お客様の方で何度も同じ説明・やり取りをする必要はありません。
メリット9
これまでにたくさんのお客様からご依頼をいただき、ご満足の声をいただいておりますので、安心しておまかせいただけます。
お客様の声はこちら
相続まるごとおまかせプランについてくわしくはこちら
ほふり調査についてのよくある質問
ここからはほふり調査を含む死後手続き・相続手続きのご相談の際によく受ける質問を、Q&A形式で解説します。
身近な人が亡くなった後に必要な120の手続きリストはこちら
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ほふり調査でお悩みの方は専門家へ相談を!
預貯金とは異なり、株式や投資信託等は全ての人が持っている財産というわけではありませんが、高齢者の方でも、金融機関担当者の勧めなどで株式を購入したという方は多くいらっしゃいます。
遺産分割協議や相続税の申告が終わった後に、新たな財産が発覚してしまうと、手続きをやり直す羽目になるかもしれないので、株式についてもきちんと調査を行っておくべきです。
配当金受領書はあるけどどの証券会社に口座を持っていたかわからない、昔株式を持っていた気がするけど書類が見つからないという場合はもちろんですが、証券会社がわかっている場合でも、単元未満株式の存在に気づいていないケースはかなり多いです。
亡くなった方が証券口座を一つでもお持ちであれば、本記事を参考にほふり調査を行っておくことをおすすめします。
相続をめぐる事情は人によって千差万別であり、必要な手続きはそれぞれに異なります。また、手続きを難しいと感じるかも人それぞれです。
ほふり調査を含む死後に必要な手続き、特に専門的知識が必要な相続手続きについて、ご自身で行うのが難しいと感じている方、自分にどんな手続きが必要かわからないという方は、お早めに死後手続き・相続手続き全般に詳しい専門家へ相談することをおすすめします。
ほふり調査を含む相続手続きについてのご相談は当事務所で承ります。ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
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