戸籍の記載間違い⁉どうやって手続きをすすめればいい?【相続登記に必要な戸籍に記載の不備があるケース】

今回亡くなったのは母だが、実家はだいぶ前に亡くなった父名義のまま…

ご相談前の状況

お母様が亡くなられた方からのご相談。

相続人はお子様3人。

お母様の手続きの他に、自宅不動産の名義が20年以上前に亡くなったお父様に名義のままになっているので、そちらについても相談したいとのことでいらっしゃいました。

問題点

  • 自宅不動産が20年以上前に亡くなった父名義のため、父母両方の相続関係を証明する戸籍を集める必要がある。
  • 父母両方について遺産分割協議を行い、名義変更や解約手続きを行う必要がある。

当事務所からのご提案

このケースのように、両親の一方が亡くなった後に相続登記をしないまま、もう一方も亡くなってしまった場合、お子様方の間で父母それぞれについて遺産分割協議を行う必要があります。

この方の場合、亡くなったお父様とお母様の相続人はお子様三人のみで全く同じとのことで、お子様方の関係は良好だったため、それほど複雑な話にはならずに済みそうでした。

そこで、当事務所でご両親の戸籍や不動産に関する資料を収集し、お二人分の遺産分割協議書を作成させていただくことを提案しました。

また、相続手続きの負担が特定の方に偏らないように、金融機関への連絡、不動産の名義変更や預貯金の解約手続きなどすべての必要な手続きを代行させていただくことを提案しました。

新たな問題が判明!戸籍の記載が間違っている?

ご依頼をいただいてからは、まずは戸籍を収集して相続人の確定作業を行う事から始めました。しかし戸籍収集の途中で新たな問題が発生してしまいました。

実は、戸籍の続柄、身分事項の一部について、転籍の前後で記載の相違があるためつながりが付かないことが判明したのです。

(例:転籍前の戸籍の記載 長男、転籍後の戸籍の記載 二男)

この場合、氏名や生年月日が一致していても、戸籍上は別人と判断されてしまう可能性があります。

役所に確認したところ、おそらく転籍手続きの際に事務処理上のミスがあったのではないかとのことでした。

すぐに修正を依頼したものの、かなり昔のことのため、倉庫に眠っている書類を捜索する必要があり、不備の修正には1か月程度かかる見込みとのことでした。

しかし、実は今回は、すぐにでも相続人への名義変更を行いたい事情があり、1か月待つことは厳しい状況でした。

そこで、当事務所で法務局に事情の説明を行い、何とか既存の戸籍の提出で登記を認めて貰えないか折衝を行いました。

その結果、相続人全員の保証書(実印付き)を提出することで何とか登記を認めてもらえることになりました。 

このように解決しました

  • ご両親それぞれについて遺産分割協議書を作成し、ご相続人様に署名捺印をいただきました。
  • 法務局に事情を説明した上で、相続関係に間違いない事の保証書を提出することで了承を貰い、無事相続登記を完了することができました。
  • ご相続人様に代わって戸籍の収集や預貯金の解約を行い、特定の方に負担が偏ることなく、お二人分の相続手続きを終えることができました。

担当者からのコメント

相続手続きを放置している間に次の相続が発生してしまった、というのは珍しくない話です。

特に相続登記については2024年より前は罰則がなかったため、「そのうちやればいいか」でそのままになっている方も多いようです。(2024年以降は罰則付きで相続登記が義務化されます。)

しかし、このケースのようにイレギュラーな事態が起きた場合、解決には時間がかかります。

時間がかかるだけで済めばいいですが、それに加えて大きな経済的ダメージを被る可能性もあります。

例えば、亡くなった方名義の不動産を売却するケースです。

故人名義のまま売却はできないため、売却の前提として相続人名義への名義変更が必要になりますが、あまりに時間がかかるようであれば、せっかく決まった売却の話自体が流れてしまう事もあります。

このようなリスクは、相続発生後にすみやかに手続きをおこなう事で回避できます。一方、手続きを放置しても得することは基本的にありません。

手続きを放置した結果、大変なことになってしまった…という事態を避けるためにも、相続が発生したら、お早めに司法書士等の専門家に相談することをおすすめします。

当事務所では、50年以上前に亡くなった方の名義のままの相続登記など、長期間放置してしまっている相続登記・相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

相続まるごとおまかせプランについてくわしくはこちら

相続登記をしないことによるデメリットについてはこちらの記事をご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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