遺言を作成しようとしたら不動産が亡夫名義のままだった・・・【遺言を作成するにあたって相続登記が必要なケース】
亡夫の名義のままの不動産。遺言書作成に支障はある?
ご相談前の状況
お母様の遺言作成についてのご相談。
遺言に記載するために不動産の登記簿を確認したところ、すでに亡くなっているお父様様名義のままであることが判明。
遺言作成にあたって母への名義変更が必要かもしれないと思い、相談にいらっしゃいました。
問題点
- 遺言作成にあたっては財産の特定が必要になるが、自分の名義でない不動産について特定可能か検討する必要がある。
- 特定が不十分な場合は遺言での手続きに支障が出る可能性があるため、名義変更を行う必要がある。
当事務所からのご提案
遺言書に財産を記載するにあたっては、どの財産をだれに相続させるかを十分に特定する必要があります。
特定が不十分だと相続人間で争いになったり、相続手続きの際に支障が出たりすることがあるためです。
今回は遺言作成にあたっての財産調査でご主人様名義のままであることが発覚したため、相続登記を行うべきか、このまま(亡夫名義のまま)遺言に記載するかというお話になりました。
お話を伺ったところ、すでにご主人様(お父様)についての遺産分割協議は済んでおり、不動産は奥様が取得するという事で話はついているとのことでした。
そのため、遺言書に「亡夫名義であるが、実際には遺産分割協議によって依存者に帰属している」旨を付記すれば、一応特定できると思われました。
しかし、お母様が亡くなられた後、不動産を取得する相続人名義にするためには、登記申請の際にお父様についての遺産分割協議書を添付する必要があります。
その時に万が一相続人の方が認知症になっていたり、行方不明になっていたりすると、大変な手間と費用がかかることになります。
一方、遺産分割協議書を今作成して、すぐに登記を申請すればそのような手間はありません。
また、公正証書遺言作成の際は公証人に登記簿謄本等の不動産特定のための資料を提出する必要がありますが、名義が遺言者の方でない場合、確実に指摘を受けるので、説明に余計な手間がかかります。
そして公証人からほぼ確実に登記をしておくことを勧められると思います。
そこで、そのような手間がかからないよう、当事務所でお父様名義の不動産について遺産分割協議書を作成し、相続登記を行って、お母様の名義に変更した後で遺言を作成することを提案しました。
このように解決しました
- お父様名義の不動産について、遺産分割協議書を作成し、ご相続人様の署名捺印をいただきました。
- 登記申請に必要な戸籍等の収集も代行させていただき、遺産分割協議書と共に提出し、無事、お母様への名義変更が完了しました。
担当者からのコメント
ご家族が亡くなったので、不動産の名義変更(相続登記)の相談にいらっしゃったところ、すでに亡くなっている配偶者や親の名義のままであることが判明した、という事はよくあります。
そのような場合、基本的には不動産の名義人の方の遺産分割協議と、不動産を取得された方の遺産分割協議を行って相続登記を申請することになります。
今回のように配偶者の名義のまま、ということであれば相続関係は同じ(お子様が相続人)という事が多く、比較的スムーズに行くことも多いです。
一方、親の名義のままの場合や、配偶者名義でも子供がいないケースでは、遺産分割協議書に署名や印鑑を貰うのに苦労する事も少なくありません。
2024年以降、相続登記は義務化されるため、相続登記を放置してしまうと、後で手間や費用が余計にかかることはあっても何もメリットはありません。
相続が発生したら、相続登記の専門家である司法書士に相談の上、お早めに相続登記を完了させておくことをおすすめします。
当事務所では、50年以上前に亡くなった方の名義のままの相続登記など、長期間放置してしまっている相続登記・相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。
ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。
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相続登記をしないことによるデメリットについてはこちらの記事をご覧ください。
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