離れた地方に住む母が亡くなった・・・地方銀行の相続手続きはどうすればいい?【遠方にある地方銀行の相続手続きが必要なケース】
遠方にある地方銀行や信用金庫の口座がたくさんあって大変…
ご相談前の状況
お母様が亡くなられた方からのご相談。
相続人はお子様二人。
お母様は投資や資産運用がお好きで、かなりの数の銀行や信用金庫、証券会社等に口座をお持ちだったため、財産調査にかなり手間がかかりそうとのこと。
しかしお母様は九州の地方都市で暮らしており、お子様は二人とも関東在住のため、財産調査や手続きのために何度も足を運ぶのは難しい状況。
相続税申告も必要なため、確実に期限内に調査を終わらせ、二人のどちらかに負担が偏ることなく手続きを終わらせたいという事で相談にいらっしゃいました。
問題点
- 地方銀行・信用金庫を含む多数の金融機関に一つずつ連絡を取り、残高証明書や取引履歴等を取得し、相続手続の手順を確認しなければならない。
- 株式、投資信託については把握している以外の口座がないかを含めて調査しなくてはならない。
- 相続税申告が必要なため、不動産、保険契約その他の財産についても漏れのないよう調査を完了させ、迅速に申告の準備を整える必要がある。
- 財産の中に自動車、農地、賃貸物件などがあり、それらについても名義変更手続きや届出、通知を行う必要がある。
- 飛行機で行かなければならない距離のため、手続きのために何度も現地に足を運ぶことは難しい。
- 利用していない不動産については今後売却をしたいが、遠方のため不動産業者等のつてもなく、売却活動を行うことが難しい。
当事務所からのご提案
地方に暮らす親が亡くなり、離れて暮らす子供が相続手続きを行わなければならないという場合、手続きのための時間と費用がネックになります。
新幹線や飛行機で行かなければならない距離であれば休日を丸々つぶして往復することになりますし、交通費だけでかなりの金額になってしまいます。
このケースのように、金融資産をたくさんお持ちの場合、各金融機関に連絡を取って残高証明書や取引履歴の請求を行い、その後の相続手続きを行うことになります。
当然ながら一つずつ現地に行って手続きを行おうとすると、大変な労力と費用を要することになります。
もちろん相続人が遠方に住んでいる場合は、郵送等のやり取りで対応してくれるところが多いです。
しかし地方銀行や信用金庫は、郵送でのやり取りについて、独自のルールが決められていることも多く、調査の段階でつまずくことがよくあります。
※例えば、残高証明書の発行手数料をどうやって支払うかなど。
また、相続人が複数いる場合、分担がうまくいかず、どちらかに負担が偏ってしまい、不満がたまってしまうという事もよくあります。
うまく分担できれば負担を軽減することも可能ですが、大体の場合、代表者の方が見返りもなく、ほとんどの手続きを行うことになりがちです。
不満がたまってしまうと手続き後の関係も微妙になってしまうかもしれません。
そこでご相続人様にそのような負担をかけることの無いように、当事務所で戸籍の収集や財産調査、遺産分割協議書の手配、金融機関の解約や不動産の名義変更、相続税申告を担当する税理士の手配まで一括して代行することを提案しました。
また、相続した不動産の一つについては、今後の利用予定もなく売却を検討しているが、現地の不動産業者のつてもなく、遠方のため売却活動を行うことが難しいとお困りでした。
そこで当事務所の方で、現地の業者にもネットワークを持つ不動産会社をご紹介させていただくことになりました。
新たな問題発生!名義預金とは?
ご依頼をいただいてからは、各金融機関に連絡を取って、手続き方法の確認や必要書類の取り寄せ等の地道な作業を少しずつ進めていきました。
その結果、時間はかかりましたが、何とか調査を終え、財産目録等を整えることができました。
調査の結果相続税申告が確実に必要となったため、相続に強い税理士もご紹介して、これから遺産の分け方を決めよう…とした矢先に新たな問題が発生しました。
実はお母様名義の口座の他に、口座名義はお子様であるものの、実質的にはお母様が管理している預金口座が存在することが判明したのです。
このような預金口座のことを「名義預金」といい、実情によっては税務署に相続財産と判断されてしまう可能性があるため、慎重な判断が必要になります。
幸い今回は申告前に判明したため、名義預金については、税理士に精査してもらい、税務署から指摘されないような内容で処理し申告を行うことになりました。
このように解決しました
- 地方銀行・信用金庫を含む多数の金融機関に連絡を取り、残高証明書等を取得し、手続の手順を確認し、滞りなく手続きを行うことができました。
- ほふり(証券保管振替機構)に情報開示請求を行い、把握している以外の故人名義の口座が存在しないか調査を行いました。
- ほふり調査の結果、新たな口座が判明したため口座を管理している金融機関に連絡を取り、調査及び移管手続きを行いました。
- 不動産や保険契約等その他の財産についても漏れのないよう調査を行い、相続税申告のための準備を整えました。
- 自動車、農地、賃貸物件などについては、それぞれ名義変更手続きや届出、通知等のサポートをさせていただきました。
- 当事務所で戸籍の収集、遺産分割協議書の手配、金融機関の解約や不動産の名義変更まで一括して担当させていただき、特定のご相続人様にご負担をかけることなく相続手続を完了させることができました。
- 利用していない不動産については、現地の業者にもネットワークを持つ不動産会社をご紹介し、売却のサポートをさせていただきました。
担当者からのコメント
このケースのように、財産の種類が多く、相続人が何度も現地に足を運ぶことが難しい場合、まず初めに必要な手続きをリストアップして、優先順位を決める必要があります。
きちんとスケジュールを組んだ上で実行しなければ、手続きの途中でよくわからない状態になり、無駄に手間や費用がかかってしまう可能性があります。最悪の場合、手続きが途中で頓挫してしまうことさえあります。
また、相続税申告が必要であれば期限を意識して、より迅速に進める必要があります。
ほとんどの方にとって相続手続きを自分で行うのは初めてだと思いますが、はじめての相続で、滞りも漏れもなく、正確かつ迅速に手続きを進めることはほぼ不可能と言っていいでしょう。
ここまで複雑でない場合であっても、手続きを難しく感じるかは人それぞれですので、自分には難しいかも知れないと少しでも感じられた方は、相続全般に詳しい専門家にお早めに相談することをおすすめします
地方銀行の相続手続きを含む遠方の相続手続きについてのご相談は当事務所で承ります。ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
当事務所では、20を超える金融機関の手続きが必要なケースなど、地方銀行の相続手続きを含む遠方の相続手続きについて数多くのサポート実績がございます。
ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
面倒な相続手続きをまるごとおまかせしたい方はこちら
預貯金の調査や相続手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
株式の調査や相続手続きについてくわしくはこちらの記事をご覧ください。
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