遺言書と異なる内容で相続登記はできる?【遺言書と異なる内容で相続登記を行うケース】
不動産だけ遺言とは違う相続方法にすることはできる?
ご相談前の状況
お父様が亡くなられた方からのご相談。
相続人はお母様とお子様2人。
亡くなったのは数年前で、自筆の遺言があったため金融機関の解約手続き等は遺言に従って済ませたが、不動産については今後のことを考えて遺言とは違う分け方で登記をしたいという事で相談にいらっしゃいました。
問題点
- 自筆の遺言(検認済み)があるが、今後の居住や売却の事を考えて、遺言書とは異なる内容で相続登記(名義変更)をしたい。
- 相続人が離れて暮らしているため、手続きのために何度も集まるのは難しい。
当事務所からのご提案
亡くなった方が遺言を遺していたものの、様々な事情により遺言とは異なる財産の分け方をしたい、という方は多いです。
遺言は故人の想いを反映した大切なメッセージですので、基本的には尊重すべきですが、相続人全員の同意(遺言執行者がいる場合は遺言執行者の同意も必要)がある場合は、遺言と異なる内容で遺産分割を行う事は実務上認められています。
このケースでも、相続人全員が同意の上で、遺言とは異なる分け方で不動産の名義を変更したいという事でしたので、相続人全員の同意の元、新たに遺産分割協議書を作成し、それをもとに相続登記を行うことを提案しました。
また、相続人の皆様がばらばらに暮らしているので、手続きのために集まるのは負担になるとのことでしたので、当事務所で戸籍の収集、不動産の調査、遺産分割協議書の作成、遺産分割協議書への署名捺印の手配、相続登記申請までを一括して代行させていただくことを提案しました。
このように解決しました
- 相続人全員のご希望に沿う形で、遺言とは異なる内容の遺産分割協議書を作成し、郵送で署名捺印をいただくように手配しました。
- 戸籍の収集、不動産の調査、相続登記申請等も代行させていただき、ご相続人様の負担なく手続きを完了させることができました。
担当者からのコメント
亡くなった方が遺言書を遺していた場合、基本的にはその内容通りに相続手続を行う事とになります。
ただ、遺言を作成した時とは状況が変わっていることは当然あります。
不動産を貰っても居住・活用できない、相続税その他の税金の負担が過大になる、など理由は様々ですが、遺言とは異なる内容で不動産やその他の財産を分けたい、というのは良くある話です。
もちろん遺言は尊重すべきですが、このケースのように相続人全員の同意の元、仲良く分けるという事であれば、遺言と違う遺産分割を行っても、故人の想いを無視することにはならないでしょう。
むしろ“残された家族が仲良く幸せに暮らしてほしい”という故人の願いを最大限尊重することになるのではないでしょうか。
また、このような方法は実務上も認められています。
ただし、遺言と異なる遺産分割を行う場合は、後に揉め事になることを防止するために、通常の遺産分割以上に慎重な配慮が必要です。また、将来の相続税の負担を検討しなくてはならない場合もあります。
よくわからないまま強引に手続きを進めた結果、家族間の関係が悪化してしまった…というのは遺言者の方が最も望まない結末でしょう。
遺言書と異なる内容で遺産分割を行い、その後の手続きを行おうと考えている方は、相続全般に精通した専門家に相談の上で進めることを強くおすすめします。
当事務所では、遺言書と異なる内容での遺産分割や相続手続きについて、数多くのご相談・サポートの実績があります。
ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。
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