タイムリミットは残り3か月⁉遺産分割協議をまとめることができるか?【期限までに財産調査を完了させ、分割協議をまとめなければならないケース】

相続人は妻と前妻の子。微妙な関係の中、相続税の申告期限まで3か月と迫り…

ご相談前の状況

お父様が亡くなられた方からのご相談。

相続人は妻と、前妻との子供4人。

不動産や金融資産等でかなりの財産があるうえ、以前会社を経営されていたため、その周辺処理も必要とのこと。

財産調査だけでもかなりの工数が必要にもかかわらず、後妻と前妻の子という微妙な関係性のため手続きが全く進んでいない状態。

相続税の申告期限まで3か月と少ししか残されておらず、銀行預金の解約手続きを済ませなければ納税資金を準備できないというかなり切羽詰まった状況でご相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 相続税の申告に間に合わせるため、多数の金融機関に対する調査を迅速に完了しなくてはならない。
  • 被相続人が以前経営していた休眠状態の会社について、法人名義の預金口座が存在しているため、株式評価のための資料集めと、預金払い戻しのための手続き等が必要。
  • 相続税の申告期限まで3か月と少ししかないが、奥様と前妻とのお子様の間で遺産分割協議をまとめなくてはならない。
  • 相続税の納税資金確保のため、申告期限までに金融機関の解約手続きを完了し、各相続人に分配しなければならない。

当事務所からのご提案

こちらのケースは、相続財産、相続関係、相続手続きともに複雑であり、さらに相続税申告期限が迫っており、時間的制約もあるという大変難易度の高いご依頼となりました。

このようなケースでは、事実関係を正確に把握し、必要な手続きをリストアップした上で優先順位を決め、期限に間に合うようにスケジュールを組み、実行する必要があります。

そこでまずは、相続税申告を間に合わせることを最優先事項とし、金融機関及び不動産等の資料収集を完了させ、すみやかに遺産分割協議のための準備を整えることを提案しました。

また、相続税が高額になるため、お子様方の納税資金を準備しなければならないという問題に対しては、遺産分割協議成立後に、預金残高が一番多い金融機関の解約を当事務所で行い、各相続人様に分配するという方法を提案しました。

また、相続人同士の関係性を考慮し、万が一にも後で揉めないように、事前に公証役場で公正証書遺言の検索を行うことを提案しました。

このように解決しました

  • 公証役場にて公正証書遺言の検索を行い、少なくとも平成元年以降に作成された公正証書遺言はない事を確認しました。
  • 各金融機関に対して迅速に残高証明書等の請求を行い、遺産分割協議及び相続税申告のための資料を整えました
  • 相続人のお気持ちと今後のことも考えた遺産分割案をご提案した結果、無事話がまとまり、相続人全員の署名捺印をいただくことができました。
  • 遺産分割協議成立後すぐに金融機関の解約手続きを行い、申告期限1週間前に各相続人様への振り込みを完了させることができました。
  • 税理士とも連携の上、申告期限までに申告書の提出及び納税を完了することができました。
  • 休眠会社の預金口座については、金融機関と折衝を行い、代表者の変更登記を行ったうえで、解約払い戻し手続きを行うことができました。
  • 不動産の名義変更その他の必要な手続きについてもすべて当事務所で代行し、滞りなく完了することができました。

担当者からのコメント

このケースのように複雑なことはさすがに多くはありませんが、自分たちで手続きをやろうとしたが、思ったより時間がかかり、相続税の申告期限に間に合わなくなりそうになったので、慌てて相談に来られる方は多くいらっしゃいます。

相続税の申告の際には、資料として様々な書類が必要になります。

その中でも金融資産に関する資料としては、亡くなった方と取引のあった金融機関から残高証明書や取引履歴等の資料を取り寄せなくてはなりません。

残高証明書等の請求については金融機関によって微妙に対応が異なるため、一つずつ確認しながら進めていくしかないのですが、書類に不備があった場合のやり取りや郵送手続きに時間がかかってしまうと、申告期限に間に合わない可能性があります。

また、書類の準備がぎりぎり間に合ったとしても、その後時間がない中で慌てて遺産分割協議を成立させてしまうと、相続人間の関係が微妙になってしまうことがあります。

このような事態を防ぐため、相続税の申告が必要な場合は、書類の準備だけでなく、遺産分割についてじっくりと話し合う時間を確保することも頭に入れてスケジュールを組まなければなりません。

相続の経験のない一般の方が、各手続きや書類の準備にどれぐらい時間がかかるかを想定してスケジュールを組むのは難しいと思いますので、少しでも不安がある方はお早めに相続全般に精通した専門家に相談することをおすすめします。

当事務所では、申告期限まで2か月を切った状態から、相続財産の調査、遺産分割協議、相続税の申告まで完了させた事例など相続に関する多数のサポート実績がございます。

ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。

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相続発生後の手続きの流れや期限などを詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

※記事の内容や相続手続の方法、法的判断が必要な事項に関するご質問については、慎重な判断が必要なため、お問い合わせのお電話やメールではお答えできない場合がございます。専門家のサポートが必要な方は無料相談をご予約下さい。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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