カーローンが残っている自動車を相続するにはどうすればいい？【遺産の中にローン返済中の自動車があるケース】

ローンの返済中の自動車を売却するにはどうすればいい？

ご相談前の状況

叔父様が亡くなられた方からのご相談。

配偶者、子供、父母、兄弟姉妹がいないため、相続人は姪である相談者様のみ。

遺産として不動産や預貯金の他、ローン返済中の自動車があるとのこと。

ローンの残額より遺産の額が大きいため相続放棄は考えていないが、こういった手続きに不慣れなため、カーローンの返済や自動車の売却処分含めてすべての手続きを任せたいという事で相談にいらっしゃいました。

問題点

• 信販会社に連絡を取り、カーローンの残額と返済方法について確認する必要がある。
• 自動車の所有者が販売会社や信販会社になっている場合、所有権解除の手続きが必要。
• 自動車について買取業者に見積もりを取り、売却に必要な手続きを行わなくてはならないが、遠方のため自分で対応するのは難しい。
• 相続手続きに必要な戸籍謄本等を収集する必要がある。
• 他に相続人がいないため、不動産の名義変更や預貯金の解約手続きも自分自身で行う必要があるが、手続きに不慣れなため難しい。

当事務所からのご提案

亡くなった方に借金等の債務があった場合、相続人が引き継ぐことになります。

自動車購入時に組むカーローンも債務なので、相続放棄をしない限り相続人が残額を支払わなくてはなりません。

また、自動車を相続した場合、戸籍謄本などの必要書類を揃えて相続人への名義変更手続きを行う必要があります。

ただし自動車の場合、ローンの返済が終わるまでは所有者は販売者や信販会社のままで使用者が購入者になっているケースがあります。（所有権留保と言います。）

この場合、債務を引き継いだ相続人が残額の返済を行い、完済後に販売者や信販会社から直接相続人（又は相続人から自動車を譲り受けた第三者）へ所有権が移転することになります。

今回のケースも所有者は販売会社（ディーラー）となっていました。

そこでまずは当事務所で販売会社及び信販会社に連絡を取り、カーローンの残額と返済方法、その後の所有権解除の手続きについて確認し、債務の清算及び所有権解除手続きをサポートさせていただくことを提案しました。

また、今回は相続人の方が自動車の継続使用を希望されず、売却してお金に換えてほしいと希望されていました。

販売会社に下取りについて相談したところ、中古買取専門業者に頼んだほうが高く売れるとのアドバイスを受けました。

そこで、当事務所で複数の中古買取専門業者に連絡を取り、現地での査定立ち合い、見積もりの取得、その後の売却手続き含めて一括してサポートさせていただくことになりました。

このように解決しました

• 販売会社・信販会社に連絡を取り、ローン残額と返済方法、その後の所有権解除手続きについて確認しました。
• 債務の清算後、必要書類を提出し、所有権解除手続きの手配を行いました。
• 複数の買取業者に見積もりを取り、現地での立ち会い含めて売却手続きを代行・サポートしました。
• 相続手続きに必要な戸籍謄本等の書類の収集もすべて代行しました。
• 不動産の名義変更や預貯金の解約手続きもすべて代行し、ご相続人様の負担なく手続きを完了させました。

担当者からのコメント

故人の自動車の処分が必要なケースはそれほど珍しくありませんが、ローンが残っている場合は注意が必要です。

このケースでは比較的新しい年式だったため、買取価格も高く、他の遺産と合わせると大きくプラスになったため債務を引き継ぎ返済することになりましたが、残債額によっては相続放棄を検討する必要があります。

相続放棄をする場合、自動車だけでなく預貯金や現金などの遺産には原則として一切手を付けてはいけません。

また、自動車の査定金額が100万円以下であれば、相続人が複数いる場合でも、事実上代表者単独で処分できてしまうのですが、勝手に処分してしまった結果後でトラブルになることもあります。

誤った認識のまま手続きを進めて、後で取り返しのつかない事態にならないよう、カーローン等の債務が残っている場合は、一度相続の専門家に相談することをおすすめします。

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