相続対策・生前贈与について

生前贈与は相続対策の一つ

相続対策と一口に言っても、相続税について、将来の遺産承継について、祭祀継承についてなど様々な問題があり、それぞれの面からの対策が必要です。

生前贈与はメリット・デメリット両面の十分な検討が必要です

相続対策の一つとして不動産を生前贈与するという方法がありますが、贈与する人の財産状況や贈与する相手によっては、期待した通りの結果が得られないこともあります。生前贈与が果たして自分に適した相続対策なのかを慎重に検討するために、メリット・デメリット両方について知っておきましょう。

不動産の生前贈与によるメリット

多くの方にとって相続財産のうち大きな割合を占めるのが不動産です。

相続対策として、亡くなる前に不動産を家族や親族に譲る生前贈与を考える方も多いです。

不動産を配偶者や子供に生前贈与するメリットとしては以下のようなものがあります。

1

特定の人に確実に受け継がせることができる

同居している長男に受け継がせて妻の面倒を見てもらいたい、不動産を利用して商売をしていて、子供のうち一人が引き継ぐ予定などの理由がある場合には、遺言より確実に受け継がせることができます。将来的に遺留分を請求される可能性はありますが、早めに所有権を移転して、生活の基盤になっていれば配慮してくれるかもしれません。

2

固定資産税の支払いや不動産の管理を任せることができる

年を取ってくると、不動産の管理、近隣との付き合い、各種手続きなどが煩わしくなってくることもあります。

3

将来の環境の変化に柔軟に対応できる

たとえば重度の認知症のため施設や病院に入ることになった時、家族がその費用を工面するために不動産を売ろうとしても、名義がそのままでは売ることはできません。本人が売ろうにも意思能力が十分でなければ、売却のためには後見人選任という手間のかかる手続きを取らなくてはいけません。

4

賃貸物件であれば収益は受け継いだ人のものになる

アパートなどの収益物件であれば、贈与後の賃料等は受け継いだ人の固有財産となるため、長い目で見れば相続税の節税につながります。

5

節税

通常、贈与での財産移転時には相続税と比べて高額の贈与税が課されますが、夫婦間での居住用不動産の贈与の特例や、相続時精算課税制度を利用することによって、贈与税を納めずに移転できるケースもあります。

不動産の価格と遺産の総額にもよりますが、贈与税を支払ってでも贈与した方が最終的に支払う税額を抑えられることもあります。

また、将来的に価格の上昇が見込まれる不動産は、生前に贈与した方が納税額が少なくなるかもしれません。

6

亡くなった後の相続人の負担が軽くなる

たとえば、奥様がご高齢の場合にご主人様が、『自分が亡くなった後の多忙の中で、慣れない手続きを進めるのは大変だろうから、少しでもその負担を減らしてやりたい』との思いから希望されることもあります。

7

不動産が共有の場合の紛争防止

不動産が親と子どものうちの一人との共有名義になっている場合など、そのままでは相続時に紛争の種となりえるケースでは、事前に他の共有者に持分を移転することで紛争を防止することができます。

不動産の生前贈与によるデメリット

不動産の生前贈与には以下のようなデメリットもあります。

1

特定の人への承継は将来的にはうまくいかない場合も

一定の範囲の相続人には遺留分という法律上最低限認められる取り分があり、生前贈与は遺留分減殺請求の対象となる可能性が高いです。贈与した不動産以外にめぼしい財産がなければ、不動産を換価して遺留分相当の金銭を支払わざるを得ないということもあります。

2

節税効果がないケースもある

不動産の価格が高い場合は、相続時精算課税制度等を利用しても、贈与時に高額の贈与税を支払うことになるケースもあります。また一度相続時精算課税制度を利用すると、年間110万円の基礎控除を利用した暦年贈与の恩恵は受けられないため、どちらが節税効果が高いかは長期的視点で見る必要があります。

3

登録免許税が高い

不動産の所有権移転登記を申請する際には、登録免許税という税金を納める必要があります。この税率は相続の場合は固定資産評価額の1000分の4ですが、贈与の場合は1000分の20となっています。評価額の高い不動産では数十万円以上の違いがあります。

悩まれたら専門家に相談を

このように相続対策としての不動産の生前贈与は、様々な法律・制度が複雑に絡むため、期待通りの結果が得られないこともあります。さらには贈与したい方の意図によって、メリット・デメリットどちらを重視するかも異なるため、慎重に検討する必要があります。

場合によっては贈与ではなく売買による移転を検討した方がいいこともありますが、家族・親族間の売買では贈与よりさらに複雑な法務上、税務上の問題があります。どうするべきかわからない方は一度専門家へ相談してみることをおすすめします。

また、デメリットについても十分認識したうえで生前贈与したいという方も、後の税申告等のことを考えるときちんとした形で贈与契約書を作成しておいた方が良いため、司法書士等にご相談ください。

相続対策・生前贈与サポート業務のご案内

当事務所では、遺言書作成・遺留分放棄による財産承継・紛争防止面でのサポート、協力税理士による税務面でのサポート、不動産の生前贈与による早期財産移転サポート、そしてこれらを包括した相続対策総合サポートをご提供しています。お客様の相続対策、生前贈与が正しく円滑に行われるようサポートさせていただくためのプランをご用意しています。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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