相続した借地を売却したい。どんな手続きが必要?【相続した借地権付建物を売却したいケース】

相続しても利用予定のない借地権付建物を手放したい

ご相談前の状況

伯母様が亡くなられた方からのご相談。

相続人はすでに亡くなっている兄の子である甥姪2人。

預貯金等はほぼなく、財産と言えるのは借地とその上に建っている建物のみ。

今後の利用予定もないため、処分を考えているが、借地の名義変更や売却のためにどのような手続きが必要かわからないという事で相談にいらっしゃいました。

問題点

  • 借地権については相続登記とは別に、地主に連絡を取り、名義変更手続きを行う必要がある。
  • 契約期間中に借地権を処分する方法は、地主による買取りか、第三者への売却になるが、どちらの方がメリットが大きいか検討する必要がある。
  • 第三者に売却する場合、事前に地主から承諾を得る必要がある。またその際に承諾料の支払が必要になる。
  • 不動産の所在地と相続人の住所が離れているため、売却活動のために何度も現地に行くのは難しい。

当事務所からのご提案

他人が所有している土地の上に自分名義の建物が建っている場合、地主(土地所有者)に対して地代を支払っていれば、建物所有者には「借地権」という権利が発生します。

借地とは言え、相続時には財産として評価されますし、売買することも可能です。

特に都心部では高額で取引される事も珍しくありません。

このケースでも、都心の物件のためそれなりの値段が付くことが予想されました。

また、ご相続人様は遠方にお住まいで、今後不動産に居住したり、賃貸に出したりする予定もなく、管理が大変なため早期の処分を希望されていました。

そこでまずは借地権の相続による名義変更手続き(地主への連絡、必要書類の提出、建物についての相続登記)をサポートし、その後の処分についても、借地物件に強い不動産会社等をご紹介させていただき、サポートすることを提案しました。

このように解決しました

  • 当事務所で登記に必要な戸籍や不動産に関する資料等を収集し、建物について相続登記申請を完了させました。
  • 事前に地主に連絡を取っていただき、確認した手順に沿って必要書類の提出等を行い、相続による借地権の名義変更手続きを完了させました。
  • 借地物件に強い不動産会社をご紹介させていただき、市場相場を調査の上、地主による買取含めて検討していただくことになりました。
  • 検討の結果、買取業者へ売却する事になったため、不動産会社と連携して、地主の承諾等の売却に必要な手続きをサポートしました。
  • ご本人に何度も足を運んでいただくことなく、売却できたことで、大変ご満足いただけました。

担当者からのコメント

借地を相続した場合、毎月の地代や契約更新時の高額な更新料の負担を懸念されて、手放すことを検討される方も多いです。

しかし、借地を売却する場合、事前に地主の承諾を得る必要があり、承諾料としてそれなりの額の金銭を支払うのが通例です。

借地物件の市場価格がそれほど高くない場合は、承諾料を支払うとほとんど手残りが無くなってしまう事もあるので、地主に買い取ってもらう、地主と協力して借地権と底地の同時売却など別の方法も検討すべきです。

検討するにあたっては借地権の手続きや売却に強い専門家や不動産会社の関与が不可欠でしょう。

ただ、借地の売却に精通している専門家は少なく、普通の不動産会社は扱いたがらないのが実情です。

また、地主の中には知識がないと思って、本来不要である相続時の承諾料を要求してきたり、売却時の承諾料として法外な金額を要求してくる方もいます。(第三者への譲渡の際は承諾料を支払うのが通例ですが相場は決まっています。)

詳しくない専門家や不動産会社に相談しても、こうした問題は解決しないばかりか、かえって複雑化してしまう恐れさえあります。

相続した借地の売却をご検討中の方は、相続手続きだけではなく、借地権をめぐる問題にも精通した専門家にお早めに相談することをおすすめします。

当事務所では、相続手続きから不動産の売却までを一括しておまかせできる「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとしたさまざまなサービスをご提供しており、借地の売却についても、専門の不動産会社と連携して地主とのやり取りから売却までサポートすることが可能です。

ご依頼をご検討中の方のご相談は無料です。

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この記事の執筆者

司法書士法人東京横浜事務所
代表 田中 暢夫(たなか のぶお)

紹介年間100件以上の相続のご相談・ご依頼に対応している相続専門の司法書士。ミュージシャンを目指して上京したのに、何故か司法書士になっていた。
誰にでも起こりうる“相続”でお悩みの方の力になりたいと、日々記事を書いたり、ご相談を受けたりしています。
九州男児で日本酒が好きですが、あまり強くはないです。
保有資格東京司法書士会 登録番号 第6998号
簡裁訴訟代理認定司法書士 認定番号 第1401130号

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