個人事業主の夫が死亡、手続きは何が必要?【個人事業主の死亡に伴う手続きが必要なケース】
個人事業主が死亡した時の手続きは?
ご相談前の状況
ご主人様が亡くなられたからのご相談。
子供がいないため、相続人は妻と父母。
ご主人様は個人事業主で、前日まで普通に仕事をされていたが、自宅で急死されたとのこと。
不動産や預貯金などの通常の相続手続きの他、個人事業主の死亡に伴い必要な手続きについても知りたいということで相談にいらっしゃいました。
問題点
- 故人は個人事業主だったため、所得税の準確定申告や廃業届等の手続きを行う必要がある。
- 課税事業者だった場合、消費税の準確定申告も行う必要がある。
- 従業員を雇用していた場合や、取引先に対する売掛金、未納品、未払金等がある場合はそれらについても対応する必要がある。
- 遺産相続手続きや準確定申告は原則として相続人全員が共同で行うので、義両親と連絡を取る必要がある。
当事務所からのご提案
亡くなった方が個人事業主だった場合、不動産の名義変更や預貯金の解約などの通常の相続手続きの他、事情に応じていくつかの必要な手続きがあります。
その中でも重要なのは故人に関する所得税の確定申告(準確定申告)です。
準確定申告は亡くなってから4か月以内に申告・納付をしなければなりません。
さらに消費税の課税事業者であった場合は、消費税の準確定申告・納付も必要になります。
また、相続人が事業を継続する場合は「青色申告承認申請書」や「開業届」を、廃業する場合は「廃業届」を管轄の税務署に提出する必要があります。
その他、取引先に対する売掛金、未納品、未払金等がある場合はそれらの清算も必要です。
従業員を雇用していた場合は給与の支払いや退職に伴う手続きなども必要になります。
幸いにも今回は、仕入れのない業態で一社からの請負のみだったため、確定申告関係と事業の継続又は廃業に関する届出のみ対応すれば済みそうでした。
ご相談者様は専業主婦だったため、税務関係の知識はほとんどなく、事業を継続するつもりもないとのことでした。
そこで当事務所で税理士をご紹介し、準確定申告や廃業に関する手続きをすべておまかせいただくことになりました。
また、準確定申告は原則として相続人全員が連署して申告書を提出する必要があります。
今回、義両親は遠方在住であり、高齢でもあるため、やり取りの負担は最小限にして欲しいと希望されていました、
そこで、当事務所で相続手続きや準確定申告に必要な書類の手配も代行させていただき、その後の相続登記や金融機関の解約等もすべておまかせいただくことを提案しました。
このように解決しました
- 税理士をご紹介し、準確定申告や廃業に関する手続きの代行を取り次ぎました。
- 遠方の義両親に連絡を取り、相続手続きや準確定申告についてご説明をし、手続きに必要な書類を手配させていただきました。
- 直接会うのが難しい相続人様のために、公平な遺産分割についてもアドバイス・サポートさせていただき、遺産分割協議書の作成及び署名捺印の手配も行いました。
- 戸籍収集、預貯金の解約及び分配、相続登記など、その他の必要な手続きもすべて代行し、ご相続人様の負担なく完了させることができました。
担当者からのコメント
このケースでは、故人の業態的に売掛金・未払金等の清算や雇用関係の処理が不要であり、事業継続の希望もなかったため、比較的シンプルな手続きで済みました。
しかし、故人が営んでいた業態や事業の規模によっては、かなり煩雑な手続きが必要になります。
また、事業の継続を希望される場合は、一定期間内に必要な届出等をしなければ税務上大きなデメリットを被る可能性があります。
特に営業許可を相続する場合は、手続きを怠ると事業の継続さえ難しくなります。
通常の遺産相続手続きに加えて、これらの手続きを自分たちで処理するのは大変な負担となりますので、個人事業主に相続が発生した場合は、お早めに相続の専門家に相談することをおすすめします。
当事務所では、個人事業主の相続手続きについてこれまでに数多くの代行・サポート実績がございます。
ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。
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