コストが高過ぎる!銀行の遺言信託をキャンセルしたい・・・【信託銀行の遺言信託をキャンセルしてご依頼をいただいたケース】
銀行の遺言信託を依頼していたが、コストに見合わないのでキャンセルしたい…
ご相談前の状況
お母様が亡くなられた方からのご相談。
相続人はお父様とお子様3人。
生前にご夫婦で信託銀行に遺言信託を依頼し、遺言を作成されていましたが、銀行が行う遺言執行のサポート内容とかかるコストが見合ってないのではないか、また銀行から紹介された税理士の対応にも疑問があるということで、相談にいらっしゃいました。
問題点
- 遺言の内容が二次相続に配慮したものではなかったので、そのまま執行すると将来的に高額の相続税がかかる可能性が高い。
- 金融機関の解約や不動産の名義変更以外にも、対応が必要な手続きがたくさんあるが、銀行は金融機関の解約手続きしか対応してくれない。
- 銀行のサポート内容と報酬が見合っていないので解約したいが、高額のキャンセル料をとられそうで心配。そもそも解約できるのかわからない。
当事務所からのご提案
信託銀行等の金融機関が取扱う商品に“遺言信託”というものがあります。
これは生前に銀行等が遺言書の作成をサポートして、相続が発生したら銀行等が遺言執行者として金融機関の解約等の相続手続を執り行うというものです。
銀行等の行う遺言執行は金融機関の解約、名義変更等に限定したものがほとんどで、業務内容に比べて報酬が高いと感じる方が多いのか、当事務所でも相続発生後に相続人の方からキャンセルできないかという相談を受けることがあります。
このケースでは、金融機関の解約や不動産の名義変更といった基本的な手続きの他に、賃貸物件のオーナー変更手続き、住宅ローンの債務者変更手続き、貸金庫の開扉と内容物の確認等の様々な手続きが必要でした。
にも関わらず、そちらは銀行では対応できないばかりかアドバイスもしてもらえないという点に不満をお持ちでした。
また、銀行から紹介された相続税申告を担当する税理士の対応に疑問がある(あまり相続に詳しくなさそうだった)という事で、銀行の遺言執行をキャンセルしてすべての手続きを当事務所で代行・サポートさせていただくことを提案しました。
さらに、遺言書の内容のとおり財産を分けると、将来お父様の相続の際に高額の相続税を負担しなければならないことを懸念されていたため、相続人全員の同意の元、遺言と異なる内容の遺産分割を検討することを提案しました。
このように解決しました
- 相続人全員の同意の元、信託銀行に遺言執行契約の解除を申し入れ、応じてもらうことができました。
- キャンセル料として数十万円かかりましたが、当事務所の報酬と併せても、100万円以上の費用を節約することができました。
- 遺言執行者の辞退後、相続人全員の同意の元、故人の意思を尊重しつつ、二次相続の相続税にも配慮した内容の遺産分割を行う事となりました。
- 相続に強い税理士のアドバイスの元、遺産分割協議書を作成し、その内容に従って遺産分割を実行しました。
- 結果、お父様お母様の相続でかかる相続税を数百万円圧縮することができました。
- 賃貸物件のオーナー変更手続き、住宅ローンの債務者変更手続き、貸金庫の開扉等の手続きについても、代行・サポートさせていただき、すべての相続手続きを滞りなく完了することができました。
担当者からのコメント
このケースのように、銀行等の行う相続手続きサポートについて、コスト面やサポート内容の面での懸念からキャンセルを希望される方は少なからずいらっしゃいます。
銀行がサポートする場合、手続きは銀行の担当者や紹介された司法書士や税理士等の専門家が行うことになります。
担当者が相続に精通しているわけではないのは仕方ないとしても、紹介された専門家まであまり相続に強くなさそうだったので不安になったというお話を聞くこともあります。
また、銀行と専門家との連携が上手くいっていないのか、同じことを何度も聞かれ、やり取りにストレスを感じたという方もいらっしゃいました。
相続手続き、死後に必要な手続きは100種類以上にも及ぶと言われ、どの手続きが必要になるかは一人一人異なります。
しかし銀行等のサポートで対応できるのは相続手続きのほんの一部であり、それ以外の細かい手続きについて相談しても、“それは別の所に相談してください”とか“それは簡単なので自分で行ってください”と対応されてしまうことがほとんどのようです。
また、相続税申告等に必要な資料についても基本的には自分で集めなければなりません。
相続発生後の気分が落ち込んでいる時期に、わずらわしい手続きで悩まされたくないという方、忙しくて手が回らないという方、銀行の対応に不満があるという方は、お早めに相続手続き全般に精通した司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
※銀行との契約を解約する際にはキャンセル料が発生する可能性があります。また、すべてのケースで確実に解約できるというわけではないのでご注意ください。
また、相続税については頻繁に法律や制度の運用が変わるため、遺言のとおりに財産を分けてしまうと将来の相続税の負担が大きくなりすぎてしまうという事もよくあります。
もちろん遺言は故人の想いを反映した大切なメッセージですので、基本的には尊重すべきです。
しかしこのケースのように、相続人全員の同意の上仲良く分けるという事であれば、遺言と違う遺産分割を行っても、むしろ“残された家族が仲良く幸せに暮らしてほしい”という故人の願いを最大限尊重することになるのではないでしょうか。
また、このような方法は実務上も認められていています。
ただし、遺言と異なる遺産分割を行う場合は、後に揉め事になることを防止するために、通常の遺産分割以上に慎重な配慮が必要です。また、将来の相続税の負担を検討しなくてはならない場合もあります。
必要な手順を誤ると、相続人同士の仲がこじれたり、後で遺産分割の無効を主張されたりする可能性もあるので、遺言と異なる遺産分割をしたいとお考えの方は、必ず相続全般に詳しい専門家に相談することを強くおすすめします。
当事務所では、遺言執行以外の手続きも含めてまるごとおまかせいただける「相続まるごとおまかせプラン」をはじめとしたサービスを提供しており、金融機関の遺言信託や遺産整理業務をキャンセルしてご依頼をいただいたケースも多数ございます。
ご依頼を検討中の方のご相談は無料です。
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